私はこの10カ月の留学経験でいろんなことを学びました。その中でも特に印象に残っているのは、外国人に対して抱くイメージと実際の姿に大きな違いがあったことです。

友達とローマにいた時の写真。日帰りだったけど親交がより深まりました

留学して7カ月くらいの時に、僕はあらためてホストファミリーに「日本や日本人についてどんな印象を持っているか」と聞いた事がありました。すると、ホストマザーは「日本人は他人とのコミュニケーションにあまり積極的ではないし、絆が深いであろう家族間でも少し壁を作っている印象がある」と言いました。ホストファザーやホストブラザーにも聞いてみると、二人も同じように「真面目だけど常に陽気ではない」「あまり感情を表に出さない」と言っていました。
たしかに、日本人はイタリア人のように挨拶でハグや頬にキスなどを日常的に行わないので、スキンシップはイタリアのように多く激しくはありません。しかし、かといって日本人は人と話したり人そのものが嫌いなわけではないので、想像上のイメージと実際の姿には大きなギャップがあるなと思いました。

settimana di scambio というイベントで一週間ボローニャにいった時他のAFS生とご飯に行きました

彼らの言葉を聞き、僕はイタリアに来て最初の1〜2カ月を思い出しました。僕自身もイタリアに行く前、「イタリア人はいつも陽気」「家族と過ごす時間がとても長い」「誰とでもすぐ仲良くなる」といったイメージを持っていました。しかし、僕のホストペアレントは両方共働きなので家族全員の時間はあまり多くなかったり、ホストスクールの友達も出会ってすぐ「私たち友達!!」と言ってくれた子もいれば、何回か話していくうちに少しずつ仲良くなった子もいたりなどさまざまでした。
僕は、実際にイタリア人と触れ合っていくうちに、留学前に抱いていたイタリアのイメージが少しずつ変わっていったことをホストファミリーに拙いイタリア語で説明しました。僕の話を聞いて、ホストファミリーは「留学する前と留学している最中、留学した後それぞれの期間で自分の価値観や考え方、マインドが変わっていくのは当たり前よ。大事なのは自分がその時その時で感じたことを忘れずに、どんなことを思ってもその価値観や感情を大切にすること。だってそれはあなたが留学していなければ感じていなかったのだから。」と言ってくれました。
その言葉を聞いて、僕は感動しました。留学が終盤に差し掛かかり、留学で得た学びや価値観、考え方を帰国してからどのように活かせるか不安に思っていましたが、ホストファミリーの言葉を聞いて、「イタリアで感じたポジティブなイメージもネガティブなイメージも、すべて自分が経験した宝物なんだ」と心から思えるようになったからです。ホストファミリーの言葉にとても勇気づけられました。

ホストスクールに行く最後の日。クラスメイト全員と

日本に帰国してから三週間ほど経ちました。新しいクラスメイトや環境にも徐々に慣れてきたので、ここから自分がイタリアで学んできたことを再確認し、それを日々の学校生活や自分を取り巻く環境でどう活かせるのかを考えていこうと思います。
留学を通じて、自分の人生を変えるようなたくさんの経験ができました。支援してくださった日本の家族のみんな、AFSの方々に改めて感謝します。本当にありがとうございます。

AFSボランティア奨学金奨学生
2023年・70期 イタリア派遣 / I・Tさん

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