10ヶ月という留学期間は長かったようであっという間に過ぎていき、わたしの18年間の人生の中で最も濃い10ヶ月となった。スペイン語がまったく話せず苦痛な2.3ヵ月から始まり、本当に毎日が充実してたくさんの経験をした。パナマに留学したことで私は経験やスキル、考え方、文化の違いなどにたくさん向き合った。

例えば、パナマではバスが時間通りに来ない事があり1時間くらい待たされることはザラにあるし、あいさつとして男女関係なくハグをする。日本には無いことばかりで初めは何でも「日本だったら~なのに」と全部日本基準に考えてしまってなかなか現地の文化に慣れることが出来なかった。だからファミリーや友達とのすれ違いもたくさんあった。しかし、私の周りには異文化について意欲的に興味を持ってくれる人がたくさんいて、パナマの人の何でも意欲的に取り組む姿勢に何度も刺激を受けた。その中でも一番心に残っているのが、留学期間中に地域のボランティア活動に参加したことだ。水や店の整備などがあまり行き届いてない所へ衣服や食べ物を配布し、子供たちの為に小さな屋台やイベントを開く内容のボランティアがあり、そこで日本の竹とんぼを子供たちにプレゼントした。とても気に入ってくれてずっと遊んでくれていて皆が笑顔になるのはこんなに嬉しいことなんだと改めて感じた。

逆に、日本について客観的に見ることもできた。学校で日本の祭りとかはどんな感じ?って聞かれるたびに確かに日本の祭りってたくさんあるし、どんな歴史があるのかなと普段当たり前にありすぎて深く考えることがなかった為自分にとっても自国を振り返るいい機会となった。そして改めて日本の環境の良さを知ることができ、自分の思っている当たり前と実際の当たり前は全然違うと感じた。毎日温かいお風呂に入れること、美味しいご飯が出てくること。
日本で当たり前だと思って過ごしていたことはパナマに来たことでたくさんの人の支えがあったからこそ快適に過ごせていたんだと感じた。
また、家族がいることの幸せさも考えることができた。私が一人でできることは多いと思っていたが実際はすごく少なくパナマでいろんな人に助けられた。学校に行くための送り迎え、部屋の用意、私がより良い留学生活を送るためにたくさんの人たちが私の見えていない部分からも支えてくれていた。日本でもパナマでもそれは同じで、本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。

自分自身も成長したと感じた。そしてたくさん新しい人たちに出会った。異文化に触れ積極的に現地の人々や同じパナマ留学生と一緒に過ごすことで様々な価値観や考え方に出会い物事に対しての見方の多様さに気付くことができた。
また、留学したことで、自信がつきポジティブになることができた。留学する前私は日本で周りの機嫌を伺って過ごすことが多くて、周りの意見に合わせて自分の考えや意見を隠すことがあった。しかし、パナマではその考えは邪魔になり通用しない。何も考えていない人と同じことになってしまう。留学中学校で討論会のような時間があった。私はその時初めてクラスメイトの前で自分の考えを話した。怖かったが終わった後「私も同じ考え」など言ってくれて自分の考えを持つことの大切さを少し遅いが学んだ。何事もまず緊張するのは当たり前で、やってみることが大切だ。

他にも、休日は友達やファミリーと色んなところに行くことが多く、バレー、バスケ、ボランティアなどの地域コミュニティにもたくさん参加して、私の留学中の目標であるパナマの生活をたっぷり経験するという目標も達成することができた。

10ヵ月間の留学を通して留学する前には無かった感性を持つことができた。勇気を出して留学して本当によかったなと思い、今ではまたパナマに行きたいと思うほど。
パナマで出会えたすべての人やファミリー、友達、また日本でずっと応援してくれた家族、友達、AFSの皆様、AFSボランティア奨学金をくださった方々には感謝の気持ちでいっぱいです。
本当に貴重な経験をさせていただきありがとうございました。
AFSボランティア奨学金
2024年・72期 パナマ派遣 / A.A さん
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