イタリアから帰国してから一か月が経とうとしています。ことあるごとにイタリアで過ごした日々を思いだし、まるで夢のようだったと懐かしく思います。特に最後の一か月は今までのつらさを忘れられるほどでした。

私はイタリア語を一言も知らないままイタリアへと旅立ちました。留学生活は、周りと意思疎通ができずに友達作りに苦労したり、疎外感に悩まされるようなことが毎日続いて起こる日々でした。日本からのお土産を渡したり友達を遊びに誘ったりなどの日本にいたときにはなんでもなかったことをするのにとんでもない勇気が必要でした。ですが時間がたつにつれてその勇気や苦労が日常のものになり、緊張せずに過ごせるようになりました。独りぼっちになっても気に病まずそんなもんだろうと一人で過ごしてみたり、別に嫌われてもいいやと暇そうな人に話しかけに行ったりしてみました。そんなことをしていると友達は自然と増えるもので、帰国前に書いたこの留学中に関わりを持った全員への手紙は100を優に超えました。

最後の登校日、クラスメイトが開いてくれたお別れパーティーにて

留学最後の日々は悲しさもあり、私は思っていたよりほかの人や友達に大切に思われていたようで、毎日のようにパーティを開いてくれたり遊びに誘ってくれたりしました。みんなと最後の挨拶をしたり荷造りやお土産を買いに行く中で私の中で何のゆかりも思い出もなかったイタリアという国で培ったものが自分の在り方に大きく影響していることに気が付きました。イタリア人のように正直にマイペースに考えるようになった部分もありますが、留学前より時間に正確になりましたし他人のことを慮るようになりました。

最後の登校日、学校の門の前にて

最後の日、学校があったため私の友達は誰も来ることができませんでした。前日の夜中ギリギリまで友達の家にいたので特にさみしさはありませんでしたのでホストファミリーやボランティアの人たちと話していました。その瞬間、後ろから友達がわっとサプライズで出てきてくれました。電車を走って追いかけてくる友達を見て泣きながら、自分の中で10か月過ごしたこの国がどれだけ大きくなっていたのかを実感しました。

駅のホームにて、来てくれた友達と最後のハグ

私はこれからもっとイタリア語の能力を伸ばしてイタリアの大学に進学したいと思っています。AFSでの経験を通していろいろな人に出会ってたくさんの価値観を知りました。これからもこの経験を忘れずに未来へ歩いて行こうと思います。

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2024年・72期 イタリア派遣 / T.N.さん

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