私は2024年3月、帰国して約1年後に両親、妹、そして祖母を連れてイタリアを再訪問しました。この再訪問で私は留学中よりもっと成長したと実感しました。
AFS69期生としてイタリアのターラントで生活した私の留学生活は楽しいことだけではなく大変な思いも沢山しました。その中で私が1番不安だったのは、ホストファミリーとの関係性でした。
私には2人のホストシスターがいましたが、姉と妹で性格がほぼ正反対という2人とどうすれば日本にいる妹と同じような関係になれるのか、2人との関係性は私が乗り越えたかった大きな壁でした。たくさん話したり一緒にパーティーへ行ったりして2人の性格を知っていきました。社交的な妹とは逆に、内向的で繊細な姉とは一緒にいる時間も長かったため凄く仲良くなる時もありましたが、お互い不満を抱えるときも多くありました。私は彼女の気持ちを理解するのに悩みましたし、彼女がホストマザーを独占してしまった私に不満を抱いてしまう時もあったのだと思います。
ホストファミリーは毎日私の面倒を見てくれたうえに、休日や連休には沢山の場所に連れて行ってくれたり、雪山を登ったり、バイクツーリングなど様々な経験をさせてくれました。そんな彼らを日本の家族に会わせたい、自分のイタリア語を両親に聞いてもらいたいという想いで、帰国から1年後、家族でターラントを訪れることを決めました。
1年ぶりに会ったファミリーは想像をはるかに超えてハグをして歓迎してくれました。特に心配していたシスターは、私がイタリア語を忘れずに話していることをとても喜んでくれました。離れてからの1年間、何をしたのか、彼女も留学をしようとしていることなど夢中になって語りました。そして家族に英語で話しかけてくれたり街を案内する姿を見て、私はやっと壁を超えることができた、そう実感しました。
帰国してから再会までの1年間でお互い刺激を与えることのできる関係になっていたと感じました。留学中に伝えられなかった感謝の気持ちを伝えました。旅行中、父同士でお酒をたくさん飲んだり、母同士でおしゃべりをしたり、英語のわからないノンナ(祖母)とイタリア語のわからない日本の祖母が笑いながら話している姿を見たときは、思わずシスターと笑ってしまいました。そしてこんな素敵なファミリーを家族に会わせることができたことが何より嬉しかったです。
先日、シスターから日本に行きたいというメールを受け取りました。私はそのことがとても嬉しくてすぐに返信をしました。留学、留学後の再訪問を通してイタリアの家族と日本の家族が1つになれたことは私にとって言葉に表せないほど嬉しく、イタリアに留学をして良かったと心の底から思いました。
F.Nさん