四月、私は七人の同期と一緒に日本からマレーシアに旅立ちました。そして、それは私にとって初海外で、日本から出たこのない私にとって海外は恐怖でしかありませんでした。それに加え家族とも離れて海外で暮らすというのは、私の不安は富士山よりも高かったのを今でも覚えています。

マレーシアについて最初の感想は、「あっつ!」でした。今でもそれは変わりませんが。そして、三日間のオリエンテーションを終えてから、皆それぞれのホストファミリーのところに散りました。
私のホストファミリーは猫を十匹以上飼っておりとても驚きました。マレーシアはイスラム教を国教としており、宗教上犬を触ることができないそうです。なので、レストランなどやどこに行っても猫を見ることができます。

学校の自由時間の時にクラスメイトと撮った写真です

これが一つ目の私の大きな体験です。宗教の違いです。マレーシアには主にキリスト教、ヒンドゥー教とイスラム教があり、その中でも特にイスラム教が主です。
私が日本にいたときは、イスラム教を体験する機会が皆無だったので、マレーシアに来てからはすべてが新鮮です。例えば、豚肉やお酒を口にできないのは有名ですが、水が入っているペットボトルにまでハラルのマークが入っていることに驚きました。
さらに、日本ではご飯を食べるときお箸を使うのが主ですが、イスラム教では右手を使うのが基本です。私も今でこそ日常的に手で食べることに慣れましたが、最初のうちはとても抵抗がありました。
また、トイレにトイレットペーパーがなくその代わりにホースがおいてあり、それを使っておしりを洗わなくてはなりません。それに関しては、今でも少し抵抗はありますが、私の大きな体験の一つだと思って頑張っております。

そしてイスラム教関連でいうと、イスラム教には断食という日の出から日の入りまでの一日中、口に何もいれないというものがあり、私も一日だけ試してみました。何も食べないというのは何とかなりましたが、水も一滴も飲めないというのはマレーシアのとても暑い気候の中ではまるで地獄のようでした。何とかその一日を終えた後の夜ご飯は過去の中でも一位、二位を争うレベルでおいしかったです。宗教一つ違うだけで生活の仕方がここまでも違うことに驚くと同時に宗教に関してとても興味深くなりました。

マレーシアはマルチカルチャーで有名で、マレーシアには中国系、インド系とマレー系の三つの系統が主に存在しており、とても面白い体験をしております。
まず看板には、英語、マレー語、中国語とマレーシア独自のジャウイという言葉の四つの言語があります。また会話でもマレー系の人は英語とマレー語が混ざっており、中国系の人は英語、マレー語と中国語の三つの言語を一緒に使っており、聞いていてとても面白いです。
そしてさらに、映画館での字幕には、中国語、英語とマレー語の三つの言語があり、画面の1/3を覆っていて、日本では絶対に体験できない体験をできていてとても面白いです。

イスラム教のハリラヤという祭りの時の写真です

もちろん言語だけでなく文化も人種の数だけ一つのマレーシアの国にたくさん存在しています。一歩外に出ればモスクがあり、耳を傾ければイスラム教の歌のようなものが、大きな音で流れています。一方で、それより三歩歩けばキリスト教の教会が見え、中国語が聞こえてきます。さらにまた二歩ほど歩くと、ヒンドゥー教の建物が見え、独特の匂いがしてきます。
ご飯も、マレーシアの「ナシレマ」があると思ったら、インドのカレーが出てきたり、インドのパンが出てきたと思ったら、中国の焼き飯が出てきます。一つの日本文化としてとどまっている日本という国の出身の私からしたら、このミックスカルチャーはとても面白く、興味深いです。文化とは何か、文化はこんなにも自由でいいのだと考えさせてくれました。

マレーシアに来てから体験することすべてが新鮮で、これまで抱いていた考えが180度変わることも多々ありました。この世界にはまだまだ自分の知らないことばかりで、新しいことを知るということはとても楽しいことで、死ぬまで学ぶことをやめられないと思いました。
マレーシアに留学することで、これまで動画で見て知った気になり、まるで自分は全てをもう知っているかのようになっていたことに気づかされました。実際にその場の空気を吸い、自分の目で物を見て、自分の耳で物を聴き、自分の鼻で物を匂い、自分の肌で物を感じ、自分の頭で考える。これが、なぜ私がマレーシアに来たのかの理由だと考えます。
しかし、こんな私の人生にとって大きな体験も奨学金を頂けなかったら、体験できなかったもので、感謝してもしきれません。本当に感謝しています。これからの留学の中でも、一つ一つの瞬間を大事にし、新しいことを学び続けていきます。

2024年 / 三菱商事高校生海外留学奨学金
マレーシア派遣 I.C.

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