私は2022年8月から10ヶ月間、アイスランドに留学していました。ホストファミリーやホストスクール、AFSのスタッフの皆様、コンタクトパーソンをはじめとするボランティア様、そして、奨学金のご支援を頂いた三菱商事様のおかげで、とても有意義な留学生活を送ることができました。
留学中、特に男女平等について学ぶ点が多くありました。アイスランドは世界的に見ても男女平等の考え方が進んでおり、世界で初めて女性大統領が誕生しています。国会の女性議員の数も全体の半数、官僚も約半数を女性が占めています。対して日本では、参議院で25.7%、参議院に至ってはわずか9.9%と、ほかの先進国に比べてもかなり遅れていることがわかります。
では、なぜアイスランドは女性の社会進出が進んでいるのか。留学前、私は伝統的な家族観が影響していると思っていました。日本では今もなお、女性は家で家事や子育てを、男性は外で働くべきだという考えが残っていますが、アイスランドではほとんどの家庭が共働きだと知っていたからです。しかし、現地で生活する中で、この理由はあまり影響していないと気づきました。なぜなら、アイスランドでも100年ほど前までは女性の国会議員は2人ほどで、女性の立場は日本と変わらないほど低かったのです。しかし、女性の社会参加をしやすくする法律や仕組みを作ることで、男性も育児や家事に積極的に参加するようになりました。
私のホストファミリーも残業はほとんどなく、残った仕事は帰宅後にするなどして、両親とも遅くとも17時には帰宅していました。そのため、父親も育児や家事に参加しやすく、家族で過ごせる時間もたくさんあり、私も平日でもホストペアレンツとゆっくり話せる時間があったので、すぐに打ち解けることができました。日本でも男女ともに無理なく、仕事も家族と過ごす時間も持てるように、特に幼い子どもがいる家庭では、勤務時間帯をお互いが調整するなどして、夫婦で時間をずらして交代で家事に取り組むなどの工夫と、社会全体の理解をもっと進めていくべきだと感じました。
私は今回の留学経験を活かして、将来は国際的な舞台で働きたいとの思いを新たにしました。また後輩たちがもっと海外のことに関心を持ち、広い視野で物事を考えるようになってほしいとの思いから、自分の経験を伝える取り組みにも携わっていきたいです。
三菱商事高校生海外留学奨学金奨学生
2022年・69期 アイスランド派遣 / O.Sさん
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