私はこの半年日本とデンマークの教育の違いについて考えさせられました。
デンマークは「個を大切にする」教育だと感じています。例えば、日本の学生に比べ、自分が何を学びたいかを考える時間とシステムがあります。私のクラスメイトは17歳〜21歳と年齢がバラバラです。なぜなら、高校入学前にギャップイヤー(学生が社会体験活動を行う猶予期間)をとる人や小学校の入学年度を遅らせたりできるからです。日本のように一定の年齢になったら学校に進学・進級すると言う考えは全くありません。
これだけをみるとデンマークは日本の教育より優れていると感じてしまいますが、ホストマザーとのやりとりで印象に残った出来事がありました。私のホストマザーは日本人で現地の日本人学校で校長をしています。そしてホストマザーは自宅で娘さん達に算数や国語などを教えています。私はなぜ自宅学習をするのか理由を尋ねると、ホストマザー曰く「デンマーク教育にはテストや宿題がない。よってデンマーク教育の欠点は、競争が苦手で忍耐力が身に付きにくい。その証拠に社会人になり突然競争となると鬱病になる人が多くなる。デンマークでの鬱病発症率は国民の8%だ。」と。
デンマークで生活をしてみて感じるのは、日本人は一般教養が高く、忍耐強い、相手を思いやれる良い国民性であると言うことです。それらは日本の知識を蓄えたり、何回も漢字を練習したりする教育からきていると感じました。
日本とデンマークの教育それぞれに利点と欠点があります。お互いを知り、違う視点を持つ事でより良い教育制度を作れるのではないでしょうか。
今、私は教育制度と政治・経済の繋がりに興味を持っています。残りの留学生活でこれらをより深く学べたらと考えています。
最後になりましたが、この留学は、奨学金をご支援してくださった公益財団法人森村豊明会をはじめ、AFSの皆様、ホストファミリーなど関わってくださった全ての方々のおかげだと感謝しております。
(公財)森村豊明会高校留学奨学金奨学生
2022年・69期 デンマーク派遣 / F・Yさん
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