私はフィリピンに来てすでに7ヶ月が経ちました。ここでの生活にも慣れ, 充実した毎日を過ごしています。私の配属された地域は本島ではないので、留学前に日本で調べていたものとは料理や言語が異なっていました。料理や言語がたくさん存在しているということは、それぞれの地域がそれぞれの文化や生活を確立し大切にしていることや、お互いの多様性を認め合っているからなのだと分かりました。
フィリピンはスペイン、アメリカ、そして日本の3カ国に植民地とされていた歴史があり、その名残を今でも生活の中に見ることがあります。例えば、フィリピンのいくつかの単語はスペイン語と同じものを使っていたり、主な交通機関としてアメリカ軍の残したジープを使っています。また学校で俳句の授業をしたこともありました。フィリピン人はそれらを前向けに受け入れて自分たちの文化に適応させています。授業では、3カ国の植民地支配についても習いましたが、私にはクラスメイトがそんな自分たちの歴史に誇りを持っているように思えました。
左下:コミュニティのフェスティバルでダンサーさんと写真を撮りました。
右上:ホストシスターとボランティアさんとの写真
左下:AFSの支部のみんなでペイントフェスティバルに参加しました。
右下:クラスメイトと学校で
私は、アジアの中にあるキリスト教国での文化や芸術を学びたいと思いフィリピンを選びました。私の支部の方がアートコースに配属してくださり、学校ではアートに関することを学んでいます。
アートに関してもそれは例外ではなく、時代によって作画や画材が全く異なる様子を見て、フィリピンという国の歴史の深さやそれらの状況に適応せざるを得なかったフィリピン人の心境について考えさせられました。しかしスペインなどの文化とフィリピンの元々の文化の融合で新たな文化が生まれ、今のフィリピンを形成したのだと思うと面白く感じました。
そのような文化を形成した裏には、誰かに尽くしてあげたいというホスピタリティに富んだ国民性が影響していると思います。ホストファミリーに美味しかった料理を伝えると、その料理を頻繁に作ってくれるようになり、また作るね、今度は一緒に作ろう、日本でも作れるのではないかと様々なことを教えてくれます。他人に喜んでもらいたいというおもてなしの心がフィリピン人の特性や文化の全てに表れており、私はフィリピンでの生活を通して様々な国の文化や前向きに楽しもうとするフィリピン人の文化に触れた気がします。
フィリピンに来てから多くのことを学び、日本にいたらできないことを体験してきました。歴史や文化だけでなく考え方や習慣まで挙げるときりがありません。ホストファミリーやフィリピンの友達、他の国からの留学生、日本で支えてくれている方々がいるからこそ成り立っている留学だと感じている日々です。そして最後になりますが、今回奨学金を支給してくださり、私にフィリピン留学の機会を与えてくださったAFS協会とボランティアの方々の皆様に心から感謝申し上げます。残りの3ヶ月思い残すことのないように楽しみたいと思っています。
AFSボランティア奨学金
2022年・69期 フィリピン派遣 / M.Mさん
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