ドイツでの323日の留学生活がついに幕を閉じました。まず、僕が確信を持って言えることは、この1年は僕の18年間生きてきた人生の中で最高の年だったということです。言語や現地の文化だけにとどまらず、学び、得ることが多すぎたこの1年間、以前の自分とは比べ物にならないくらい1人の“人”として、自分でも感じることができるぐらいはるかに成長することができました。毎日が刺激的で、たくさんの人と知り合い、たくさんのことを知り、経験し、今ではドイツが僕の第2の故郷となりました。
この約1年間、楽しいことや悲しいこと、嬉しいことや辛いこと、本当にたくさんのことがありましたが、僕の中での1番の思い出は現地の友達と過ごした時間です。僕は周りの友達に恵まれ、彼らといるときは、悩んでいたり嫌なことがあっても全部忘れて大笑いできました。
ホストファミリーとは意見が対立し、衝突することも多く、正直ホストチェンジを考えたことも何度もありました。しかし、ホストチェンジをしてしまうと全く他の地域に配属されることが多々あるということを聞いており、僕はせっかくできた大好きな友達と離れたくなかったため、そこにとどまり何とかやっていこうという決断をしました。そのくらい友達というのは僕にとって大切な存在なのだなあとその時改めて感じました。
彼らは僕がドイツに来てばかりでドイツ語もなかなかうまく話せない時も、英語を交えながら最大限にサポートしてくれ、たくさん遊びにも誘ってくれ、いろいろなところにもつれて行ってくれました。そのおかげで、現地でたくさんのことを経験し、今ではドイツ語も流暢に話せることができるようになり、彼らと数えきれないほどの最高の思い出を作ることができました。僕が帰国する前日には、みんなでお別れパーティーを開いてくれ、僕のために涙を流してくれました。今までもこれからも彼らは僕の心のよりどころであり、ずっと僕の親友で宝物です。
ドイツには他にも世界中からたくさんの留学生が来ており、彼らともたくさんの交流がありました。留学期間中には、彼らと一緒にドイツだけでなく、フランスやハンガリー、ポーランドも旅しました。僕たち皆、全く異なった言語や文化、地域から集まっていましたが、やはり、皆海外に興味がありドイツに留学してきたという似た目標があったため、すぐに打ち解けることができ、今では毎日連絡を取り合うぐらいの関係を確立することができました。
彼らとの会話は基本的にすべて英語で、言語の壁を越えた友情の中で、今は英語はできて当たり前の更なるスキルが必要とされている社会なのだということを深く感じました。彼らと交流する上でドイツにいながらも、ニュースやインターネットではわからないような世界中で起こっているリアルな情勢ついても知ることができ、より海外に対する興味が高まりました。
様々な問題に直面した時、どのようにうまく状況を扱い、その局面をうまく乗り越えるかということは大きなテーマでした。まるで波の上でサーフィンをしている時のように、落ち着いて次の波を待ってみたり、あえて大波を乗り越えて行ったり、または流れの中でまどろんでみたり。人と人とはコミュニケーションである対話がとても重要であると感じました。
日本では血の繋がった無償の見返りを求めない家族があります。日本人特有の言わなくてもわかるでしょうの関係がうまく成立することも多いかもしれません。しかしながら、海外に行くとそんなことは奇跡なのだと思います。うまくいっていたこと自体が不思議なくらい、自分の考えや思いは伝えなくては誰も察知はしてくれません。察知することが優しさであると勘違いしてしまいがちですが、発言をして、どう自分は考えているかを伝え、言葉にするということ、どんな状況でも自らアクションを起こすということがどれだけ大切かということを学びました。両親やホストファミリー、AFSや奨学金を支えてくださった方などたくさんの人のサポートがあったからこそ成り立ったこの最高の1年間。周りの人への感謝を忘れず、学んだことを最大限に生かしこれからも躍動的に、楽しく生きていきたいです。
森村豊明会高校留学奨学金奨学生
2021年派遣(冬組) / ドイツ派遣 S.S.さん
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