7か月という、長そうでとても短かった留学生活を終えて一番感じたことは、一言で言い表すことは難しいですが、人の温かみに触れることが出来たこと、新しい自分の一面を見つけることが出来たことだと思います。
帰国の日、駅まで送り届けてくれた私のホストファミリーは7人兄弟というとても大きな家族でした。日本に暮らしているときには想像もしてみなかった「牛乳10本まとめ買い」、5人が定員の車に大きい子の上や車のトランクに押し込まれてラップランドまでの6時間移動、クリスマスにはとても大きな袋を2つも抱えたサンタさんが家まで来てくれたこと、ファミリーが見つけて教えてくれた大きなオーロラ、ホストシスターと沢山語りあった夜は忘れられません。
住んでいる場所も気候も文化もまるで違う私を本当の娘のようにかわいがってくれたホストペアレンツ、本当の兄弟のように慕ってくれたホストシスターやホストブラザー、私が自分で日本人だと忘れてしまうくらい自然に仲良くしてくれたホストスクールの友達。現地の人たちにとっては普通のことかもしれませんが、わたしにとってはそれが本当に嬉しくて、帰国して日本の日常に慣れてきた今、彼らのありがたさを留学していた時以上に実感しています。
私は町からも遠く、人口が少ないとても小さい町に住んでいてあまり大きな街に出かける機会は多くなく、フィンランドの有名な場所に行く機会はほとんどありませんでした。でもそのおかげでファミリーとの時間をたくさん持つことが出来たし、フィンランドの自然も当然のように感じることが出来ました。
また、日本のように放課後や土日に友達と外出することが少なかった留学中は、日本では見向きもしなかった自然をきれいだなと感じることができたり、少し一人で歩きに行こうかな、と思えたりするほどほのぼの、ゆっくりと時が流れていました。だからこそ、留学という今までに経験のない環境下に置かれている自分のことについて考える時間がときには嫌になるほどたくさんあり、日本で何も考えずに過ごしていたら考えもしないような、見つけられないような自分に関する発見をできたし、実行できるかは分からないけれどこう生きたい、というのを漠然と考えることができたような気がします。
その中でも、今までは「この大学に進学して、保育士や小学校の先生になりたい」とはっきり考えていた自分の将来の夢がふとした瞬間に分からなくなり、自分のやりたいことと向いていることが同じじゃないと不安になった時は自分でとても衝撃を受けました。
フィンランドの教育は自分の予想していた通りとても進んでいたし、みんな物怖じしないで私に話しかけられるほどの英語力をもっていました。自分の英語力の無さに情けなさを覚えるとともに、日本とフィンランドの授業などの仕組みの違いに驚きの連続でした。
周りの言っていることが少しずつ理解できるようになってきて、自分の言いたいことも簡単になら伝えられるようになってきて、友達が遠出しようと誘ってくれて、もうひと段階成長できそう。そんな中で早期帰国になってしまい、悔しい思いでいっぱいではありますが、この無念な終わり方ができたから、もう一度フィンランドに帰りたいという思いは人一倍あるだろうし、そのための努力も惜しみなくしようと思えています。機会があればもう一度フィンランドに行って、上手に話せなかったフィンランド語を流ちょうに話して、できなかった観光を思う存分したいです。
東海東京財団留学奨学金奨学生
AFS66期生 フィンランド派遣 / 島内 真奈
▼留学中の体験談:フィンランド留学レポート 小さな町で、素敵な家族や友達と
ウィズ・コロナからポスト・コロナへ One AFS緊急募金ご協力のお願い
▼高校生・10代の年間留学プログラム
フィンランド年間留学情報 フィンランド国別情報