ラトビアとはロシアの隣、バルト三国の真ん中に位置する国です。よく「それってアフリカ?」「南米の国?」と聞かれるのですがヨーロッパです。

「地球の歩き方(旅行ガイドブック)」ではラトビアと他の2カ国がまとめて1冊になっていたのに、南ドイツの冊子より遥かに薄かったのを覚えています。
このように日本での情報収集が難しいラトビアですが、逆に事前情報がない分着いてからの発見が多かったです。例えば空港に着いたときは意外とキレイだな、とかH&Mってラトビアにもあるんだ!!などと驚きの連続でした。(逆にスターバックスがないことにもビックリ…)
それに比べると、ラトビアの人柄はシャイで無愛想といった情報が多く、北欧だし旧ソ連だからそうなのかな、と思っていました。しかし実際にはただ人見知りなだけで、こちらがゆっくりと歩み寄ってラトビア語を話していけば、少しずつですが心をひらいてくれました。
仲良くなれば彼らはすごくお喋りです。短期旅行者の方にはとっつきにくい印象を与えているかもしれないラトビア人ですが、時間をかければ、そのようなイメージは変わります。これこそが長期留学の醍醐味なのでは、とも思いました。

でもラトビア語なんて受験や将来で使わないんじゃないの?と思うかもしれません。確かにそうです。ラトビア以外では話されていない言語ですし、国の若者の多くが英語をネイティブ並に話すので実際ラトビアに住んでいて言語で困ることはありません。ですが少しでもラトビア語を話すと、外国人が自分たちの言葉を話してくれるなんて!と、大変喜んでくれます。また喜んでくれるのではないかと思うと言語を学ぶモチベーションにも繋がりました。
今、ラトビアでは多くの若者が海外に出稼ぎに行き、未だにロシアの再支配の脅威もある中、もしかしたら消えゆくかもしれない言語をリアルな生活を通して学べたことは貴重な経験でした。

また、ラトビア人にとっても日本はあまり馴染みが無く、ワールドワイドだと思っていたアニメ文化は全く浸透しておらず、私の周りに見ている人はいませんでした。「初めて本物のアジア人と出会った」と言われたときは衝撃でした。これは逆に日本を知ってもらうチャンスだ!と思い、クリスマスコンサートに浴衣をきて友達とラトビア語の歌を唄ったり、日本のプレゼンをしたり、たこ焼き器を学校に持っていってみんなでたこ焼きパーティーをしたりしました。このおかげか、日本に行きたい!!と言ってくれる友人が現れ始めました。

ラトビアでの生活は自然といつも一緒で、夏には学校から徒歩10分のビーチで遊んだり、市場で買ったラズベリーを頬張ったりしながら家路につき、家ではバジルソースやジャムを作っているホストファミリーを手伝い、またお手製の白樺ジュースを飲みながら庭でバーベキューをし、白夜を楽しみました。
夏至祭には民族衣装と花冠を身につけ、4日間に渡る宴を謳歌します。冬は凍ったバルト海や湖の上を歩き、友達の家でサウナパーティをします。自分達で摘んで干したハーブでお茶をいれたり。おばあちゃんが編んでくれた手袋と靴下を履いて、全てが白くなった街を散歩する。この小さなことが今ではかけがえのない、懐かしい思い出です。

この留学で学んだのは事前情報にとらわれないで、自分の目で見ることの大切さ、経験しないと分からない辛さや喜び、自分の知らない世界がまだまだ沢山あるということに改めて気づかせてくれたことです。

ぜひ、ガイドブックやインターネットには載っていない、あなただけの発見をして下さい!

2018年派遣
AFS65期 ラトビア/ 横田理紗子

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