まず初めに、奨学金を寄付してくださった東海東京財団さん、本当にありがとうございました。
通常よりは短い期間ではありましたが本当に良い経験ができました。
3月17日に日本に帰国してから現在までは自宅で自粛しています。帰ってきた直後は、なぜ私は今日本にいるのか、何で帰らないと行けなかったのか、色々と思うことも多く辛いことも多かったです。帰らなければならないことを知った時は本当に辛かったです。またその通知が送られてきたのが帰国の4日前だったので本当に何が何だかわかりませんでした。
その4日間のことは今でもはっきり覚えています。
通知された日は心も落ち着かず気持ちを整理するので精一杯でした。しかしそんな状況でもホストファミリーは落ち着いていつも通りの対応をしてくれました。それを見て自分もまずは落ち着こうと思い少しずつ落ち着いてきました。
二日目は私が帰国しないと行けないということをいつも遊ぶ4人の友達に知らせたら、急いでお別れ会を開いてくれました。本当に彼らはいつも私のことを助けてくれるし、彼らと一緒にいるといつも笑っていられます。なのでそんな辛い状況でもその日は一日中笑っていられました。本当に最高の1日でした。彼らとは今も連絡を取り合っており、またコロナウイルスが落ち着いたら日本行きてくれると言ってくれました。その日が本当に楽しみです。
三日目は何か特別なことをすることもなくいつも通りの普通の1日を過ごしました。そう過ごそうと努力しました。ただその日で一番記憶に残っているのは最後の夜ご飯です。その日の夕食はじゃがいもとお肉といったようないつも食べるような普通の夕食でした。私のことを考えて、あえていつも通りの夕食にしてくれているんだなと感じました。しかしその日はいつもと違う点が一つありました。それは今までで一番楽しく話した夕食だということです。今日何があったとか、飼っている猫の話をしたりとか、ごく普通の会話ですがそれが自分にとって一番楽しくて、自分は本当に良い家族に出会えたなと思える時間でした。
その日の夜は明日自分の思いをうまく伝えれるとは思えなかったので、手紙を書いてタンスの中に入れておきました。あとは明日朝家族に別れを告げて出発するだけと思っていました。しかしそうは行きませんでした。
出発当日、朝3時に電話がありました。飛行機の時間が変更され、予定では朝11時ほどに出発の予定でしたが、朝6時に出発することになりました。すぐにホストマザーを起こして、起きて15分後には車の中にいました。本当に大変でした。ホストブラザーには別れを言うことができませんでした。家族で最後に集合写真を撮ることもできませんでした。本当に辛かったです。
空港について気持ちが落ち着かないまま、急がなければならなかったのでホストマザーとの別れは本当に短かったです。ただそれでも最後にハグした時は、本当に今までありがとうございましたという気持ちを伝えれたと思います。
ホストマザーも力強くハグしてくれました。「大変だろうけど、あなたなら何とかできる。がんばれ、そしてお疲れ様」という気持ちが心から伝わってきました。その瞬間が本当に留学が終わるんだと感じる瞬間でした。それと同時に今まで本当に楽しかったなと一番思う瞬間でした。
飛行機の中では今までのことを振り返っていました。最高の家族、最高の友達、学校でした。また様々な思い出に残る経験をすることができました。この留学を通して一番感じたことは、自分の人生を楽しくするのは結局自分自身だなと思いました。自分の気持ち次第なんだなと思いました。
留学が始まった当初は家族や友達について行くがままで、あまり自分の意思を伝えることもしていませんでした。しかしそれでは自分を留学させてくれた家族や、AFSさん、東海東京財団さんの気持ちに応えることができていないと思い自分の気持ちをうまくない英語でも良いので伝えようと思いました。その結果本当に留学が楽しくなりました。自分が変わることで周りも変わって行きました。また何事も前向きに考えれるようになり、どんどん楽しくなっていきました。自分の気持ち次第でこんなに変わるんだなと本当に思いました。このことはこれから留学しようとしている人にも伝えていきたいし、これからの人生においても生かしていきたいです。実際に今は大変な状況ではありますが、私は勉強する良い機会だと考え毎日英語を勉強したり、ギターを初めてみたりなど、とにかく前向きに考えて、楽しく生活しています。
これから何ができたかということには正直悔いがありますが、今まで何をしてきたかには悔いがありません。本当に素晴らしい体験でした。この経験は将来にも生かしていこうと思うし、自分の周りの人にも伝えていこうと思います。そして今まで自分を支えてきてくださったみなさんに感謝を伝えていきたいと思います。
2019年・AFS66期 / 東海東京財団留学奨学金 奨学生
ノルウェー派遣 平野 将三朗
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