私は2008年から2009年までパナマ共和国に留学していました。
派遣先にパナマを選んだ理由はトロピカルな気候で、一生に一度しか行けなさそうだからという単純な理由でしたが、今となってはパナマ留学での出会い、経験が、私の「人生のターニングポイント」だったのだと確信しています。
パナマの公用語はスペイン語で、パナマに派遣された当時、私はスペイン語で挨拶くらいしかできませんでした。なので、はじめは考えていること、言いたい事がうまく伝えられず悔しい思いをする毎日でした。
そんなある日、一人の友達が次のことを言ってくれました。
「数学の正解は1つだけど、言語に正解はない」
この文章で友達が言いたかったことというのは、必ずしも1つの言い方が正解ではない、無限に表現や言い回しの仕方があるということです。
当時の私は日本語からの直訳にこだわり過ぎていて、表現や言い回しを変えて伝えるということを意識していませんでした。なので、1単語わからないと、すぐに辞書を引いてしまい、工夫をすることを忘れていました。
その後は極力自分の力で表現を工夫しながら思いを伝える努力をし、実際に会話が成立したときの達成感は今でも忘れられません。
帰国後、高校の理系コースに戻り、理系大学進学を目指していましたが、さらにスペイン語を学習したいという思いが強く、理系コースで勉強しながらスペイン語が学習できる大学を受験し、なんとかスペイン語学科がある大学に入学することができました。
大学時代にも、スペイン、メキシコへ交換留学し、卒業後はスペイン語が使える職を求め、メキシコへ飛びました。現在はメキシコの日系企業で通訳として仕事をしています。
今の私があるのはAFSとの出会いがあったからで、もしAFSの留学がなかったら、もし派遣先がパナマではなく他の国であったら、私の人生はまったく違うものであったと思います。
「人生のターニングポイント」を与えてくれたAFSには感謝の気持ちでいっぱいです。
パナマ派遣/ 新井紀子
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