「またいつか必ず会おうね」と言って別れてから早1ヶ月が経ちました。
帰りたくて帰りたくなかった日本にいることがなんだかすごく変です。今改めて振り返るとすごく早くて、苦しくて、楽しくて、素敵な、そんな10ヵ月でした。

この留学で辛かったことは同じ支部に派遣されていた他の国からの留学生達と会うことでした。
日本にいた時、英語にすごく自信を持っていた自分が恥ずかしいくらいにできないことに気づいた時、私は話すことをやめてしまいました。みんなが楽しく笑っている時に1人だけ分からなくて笑えなくて、みんなが出かけている時に一人家に残ったり、学校で見かけても話せないからと避けていた時もありました。

そしてもう一つ辛かったことはその留学生のうちの一人と自分を比べてはその差にため息をついていたことです。「私よりスペイン語できて、かわいくて、優しくて、かっこいい。けど私は…」と、いつも比べていました。
私は彼女の事が大好きで彼女のようになりたいと憧れていましたが、その反面私には難しいことを当たり前のようにこなす彼女が嫌いでした。彼女を見ると私のダメな所を見せられているようでその度に自分のことが嫌いになっていきました。
自分を好きになることは私にとってはすごく難しいことでした。
「大好きだけど嫌い。」その間で葛藤しながら半年程過ごしました。今思うとその時が一番辛かったです。

半年程経つとスペイン語で自分の言いたい事、相手の言ってる事が分かって、そこで初めて彼女と”対話”できました。それからは一緒にカフェでお茶したり、買い物に行ったり、自分達のことをたくさん話しました。すごく楽しくて、たくさん笑ったことを覚えています。

「えむ、明るくなったね。あまり話さないから大丈夫かなっていつも心配してた。でもこんなにおもしろいってこと知らなかったし、仲良くなれてよかった。」こう彼女に言われた時すごく嬉しかったです。
彼女は私のことを心配して、ちゃんと見てくれていました。たまたま留学先が一緒だった異国の人が自分のことをそんなふうに思ってくれていたことにすごく”幸せ”だと思いました。

留学生たちと関わることを最初の半年間で諦めなくて、やめなくてよかったです。一人で苦しくて辛い時もあったけどそれを乗り越えたことによって気づいた幸せというものは何事にも変えがたいものでした。
学校に行きたくない時、ファミリーと上手くいかない時に彼女達に言うと「私もそんな時あるよ」、「一緒に頑張ろう」、「いつでも言ってね」と共感してもらえること、応援してくれることは日本の家族に心配をかけたくなくて言えない私にとってそれが何よりの励みであり、心の支えでした。
次に会うのは10年後か20年後か分かりませんが次に会う時は堂々と「自分が好きだ」と胸を張って言えるようなそんな人になっていたいです。
英語を流暢に話す私に驚く彼女達の顔を見るのが今から楽しみで、それを励みに頑張ります。

最後に、私の留学を支援してくださったAFS、スポンサーの皆様。皆様のおかげで充実した留学生活を送ることができました。この10ヵ月は今まで生きてきた中で間違いなく一番濃く、忘れることのない大切な日々です。本当にありがとうございました。

2017年3月 AFS公益財団法人設立記念奨学金
AFS63期 エクアドル派遣 / 鈴木恵夢
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この記事のカテゴリー: エクアドル 年間留学体験談