スイスでの1年は私にとって大切な宝物です。今振り返ってみて、改めてそう感じます。

初めのころは、言語面や学校生活で大変苦労しました。
スイスではスイスドイツ語を皆話し、ドイツ語とは全く違う言語に戸惑い、私はフランス語圏寄りに派遣されたのでフランス語もよく聞き、様々な言語、人々、文化が入り交ざった地にただ立ち尽くすばかりでした。全てが日本と違う、その一言です。
でも、「何も得ずに日本には帰れないぞ」という思いがあったので、自分で工夫しつつ、勉強だけでなく、毎日多くのことを考えて、ストイックに頑張りました。

あの頃は無我夢中で、気づきませんでしたが、今思うとそういった姿勢が留学生活を良いものにしていったんだなと実感しています。
そんな大変な中、私が向こうで生活していけたのも家族や友人たちのおかげです。

2つの素敵な家族に恵まれ、AFSの仲間や、学校など色々な場所で知り合った友人たちはかけがえのない存在です。
ドイツ語も話せるようになると同時に、向こうで知り合いも増えていき、自信にも繋がりましたし、毎日が充実していました。

多くの友人たちが私の誕生日会に来てくれ、私を囲んで歌を歌ってくれた時は、感動してしまい涙が溢れました。
どんなに疲れていても家族との予定や時間を大事にしたり、語り合ったり、前もって伝えるべきことは伝え、お礼を忘れずになど自分の中で決まりや目標をつくって、工夫していたのも良かったなと思います。そのおかげで家族とも、仲が深まりました。
ファミリーチェンジの時はつらかった部分もありましたが、問題があったわけでもなかったので、両家族とも今でも関係が続いていますし、大好きです。感謝しかないです。
帰国時にも両家族とも来てくれて、電車内で両親たちが私のことなどを話している姿を見て、すでに泣きそうになっていたのも覚えています。

スイスでの経験を経て、言語面はもちろん、精神面で成長することができたと感じています。
色々な人々、文化、考えがある中で、それらを受け入れようとしたことで私の中の考えや視野も広がりました。
即断即決することやプレゼンする力などもつき、なにより周りの人々への感謝を忘れないようになりました。
今の日本での生活は前よりも工夫された、良いものになっているとすでに感じています。
あの1年を経て、これからさらに自分がどう変わっていけるのか、楽しみです。
ありがとうございました。

AFS63期 スイス派遣
藤江如珠

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