「Nostaa kissan pöydälle」
この言葉は「難題は提起せよ」という意味のフィンランド語の諺で、興味本位で偶然見つけたものだが、残りの留学期間、及び今後の私の将来において、大きな意味を持つ言葉になるだろう。

私には、物事を自分で勝手に結論づけてしまう癖がある。そのせいか、何か聞かれたら答えるものの、自分から質問したり、話しかけたりすることが少なかった。
留学して少し経った頃、実際にホストファミリーやAFSからも指摘された。

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フィンランドの合唱団「Leticia」でのコンサートに向けた練習の様子

そんな自分を克服するためにどうすればよいか色々考えたが、答えは意外と簡単だった。
相手の言っていることが分からなければ「それはどういう意味?」、未知のものに出会ったら「これは何?」、といったように、外国語の会話集によく載っている例文を使うだけだ。これらをホストファミリーや友達(フィンランド人はもちろん、フィンランドに来た留学生も含む)へ積極的に使うことで、フィンランド語のスキルが上がった上に、興味深い話も沢山聞くことができた。
主観でしかないが、ホストファミリ-や友達との絆も深まった気がする。何より嬉しいのは、自分が何か難題にぶつかった時、または自分から何か提案がある時、ホストファミリーや友達は必ず助けてくれることだ。
留学していて不安なことは沢山あったが、今日まで生きていられているのも、ホストファミリーや友達の助けがあったからこそだ。感謝してもしきれないだろう。

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Tapaninpäivä(クリスマスの翌日)にホストファミリーの家でパーティーが開かれた

自分の中の「難題」を「提起」することによって、多くの大切なものを得ることができた気がする。
「難題」というとすごく重いものに感じるが、留学生にとって、まわりは難題だらけだ。身近にある未知のものに疑問を抱き、一方で世界の大きさに驚き続ける毎日だろう。
あと約4ヶ月、どれだけ新しい何かに気づき、提起できるか、そしてそこからどう学び、実りのある留学にするか。
留学を満喫するのと同時に、この言葉を胸に刻んで、フィンランドで歩み続けていきたい。

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Wanhojen Tanssit(フィンランド版プロム)の空き時間に食事中

2017年3月 AFSどさんこ奨学金奨学生
AFS63期生 フィンランド派遣 / 上島 憲
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