フランスといえば お洒落なブティックや街並み、美味しい料理の数々…そんな期待を胸に一年間のフランスでの生活が幕を開けた。
到着オリエンが始まると直ぐ、小さな建物の中に飛び交う様々な言語、人種に一人ドキドキを隠せない自分がいた。初日から期待は勿論焦りもだんだんと大きくなっていた。緊張しつつもパリから2時間電車に揺られノルマンディーに住む家族の元へと向かった。
うちに着くと両親そしてお兄ちゃん三人が温かく迎えてくれた。
学校はすぐ始まりフランス語どころか英語もままならない私はお母さんに連れられるがまま教室に入り学校生活が始まった。
現地の学校は公立で共学だった。右も左も全く分からなかった私に声を掛けてくれる友達がいた。
昼食の時間になるとその子が学校にあるカフェテリアに連れて行ってくれた。後にこの場所は私の留学生活を支える糧の一つとなってくれた。
沢山の生徒であふれかえるカフェテリアはよく前に進めなくなる程の賑わいを見せていた。フランス語の知識がほぼ無に等しかった私はジェスチャーか とても苦手だった英語を使うしか方法がなかった。
日本では女子校、三姉妹という私にとって共学しかも三人兄弟など何もかもが真逆だった。だからこそ毎日が新鮮だった。
翌日から “あのカフェテリアに行ってとにかく誰かに声を掛けてみよう”と、出来る限り新しい人達に話しかけて行った。
あの時の自分はただひたすら話かけていたのでみんな理解できていなかったらしい。でもそうして今では全ての学年に沢山の友達が出来た。
ある日酷い豪雨が襲った。その上、一本バスを乗り損ねてしまった。私のバスは20分後。一緒にいた友達のバスは2分後。友達はまだ慣れない私を気にかけてくれたのか自分のバスにあえて乗らず、その子の次のバスは1時間後というのに温かいパニーニを私のために買ってくれ寒い中私のバスを待ってくれた。その子が今では私の一番の親友だ。
一番この留学生活の中で感謝したいのはホストファミリーだ。
初め学校に慣れず辛いことがあると学校が同じだったお兄ちゃんが帰り道 いつも話を聞いてくれた。うちに帰って泣くと何も言わずただ温かく抱きしめてくれたのはお母さんとお父さんだった。
家族との思い出はここに書ききれないほど、ものすごく沢山ある。留学中の旅行の際、沢山の素敵な家族にお世話になったが胸を張って言えることはこの家族は私にとって世界一の“Famille”であるということだ。
AFS62期 フランス派遣
安元里怜香
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