本当にあっという間だったスウェーデンでの生活。帰りたくなる日も度々ありましたが、無事乗り越えられてほっとしています。
中学三年生に通うことになっていたり、家族が4つできたりなど、思いがけないことの連続でしたが、それが私の、私だけの留学だったのだなと今になって実感しています。

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最初の家族との写真。日本の家族がスウェーデンに来た時に

スウェーデンに暮らして一か月がたった頃、学校で日本のトイレについてプレゼンテーションをしました。初めて行ったプレゼンテーションでしたが、話題がよかったのか多くの人に笑ってもらうことができました。
そして、それまで話したことがなかったたくさんの人たちに、クラス関係なくいきなり話しかけられて、笑顔で、面白かったよ、と言ってもらえ、その時は最高にうれしかったです。
その時は英語だったのですが、自分の成長を大きく感じました。

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修学旅行での電車の写真

しかし、それから仲良くなれるのではないかという淡い期待を抱いたのも束の間、半年が過ぎるまで、学校に友達と呼べる人はいませんでした。
言葉もままならなかったので授業もほとんど理解できず、学校にはただ通っているという感じでしたが、それでもなんとなく楽しかったです。
私のクラスメイトに限らず、スウェーデン人はシャイな人が多く、自分のことを気にかけているような視線を長い間感じていましたが、話す機会や話題がないのか、私のことが怖かったのか、滅多に話しかけられることはありませんでした。

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友達と。夜の10時すぎているが、とても明るかった

私も少なからず彼らのことを恐れていた部分があったので、自分からもなかなか話しかけることができず、その未熟さや悔しさを感じては涙を流していました。
その度に明日こそは、と前向きに考え明るく過ごすようにし、小さいことでもスウェーデン語や、授業のことについて聞くようにしました。
それでも彼らの深いところに踏み込むのには本当に時間がかかり、苦労しました。

半年間毎週一回ある家庭科では毎回調理実習で、ペアになった子と料理したことが、その子について知る、そして私のことについて知ってもらういい機会となりましたが、うまくいかないときもありました。
料理は言語を必要としないため、私の存在を認めてもらえる数少ないチャンスだったのですが、なかなか難しかったです。
それでもスウェーデンの料理をすることで自分自身が楽しむことができ、その日は少しだけ明るい気分でした。音楽の授業もグループで活動することが多く、四人で演奏するのですが、その時間に日本の曲や日本語を教えることができ、そういうときが来るたびに、ここにきてよかったと思うことができました。

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一番仲の良かったホストシスターたちと

冬休みが終わり留学も折り返し地点になろうとしていたころ、急にクラスメイトがよく話しかけてくれるようになりました。何もなかった半年間は、それなりに意味のある時間だったようです。
学校に行くのが毎日楽しくなり始めたとき、現地語で話すことの大切さを再認識しました。友達はみんな英語がペラペラでしたが、本当の彼ら、すなわちスウェーデン人を知るのにはスウェーデン語しかないのです。

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凍った湖でクロスカントリー

言語は一番、その国の文化が表されていて、スウェーデンのすべてが詰まっています。友達とスウェーデン語で話すことによって、私のスウェーデン語はどんどん伸びていき、また授業も少しずつわかるようになっていきました。
たくさん間違えて、恥ずかしい思いを何度もしましたが、自分の恥ずかしかったことなど誰も覚えてないと思い、チャレンジし、間違えることによって成長できたことと思います。
この一年は、友だち、スウェーデンの家族、日本の家族、ほかの留学生の支えがあったから、成し遂げられました。感謝しても、とてもしきれません。この経験をいかし、これからどんなことがあっても頑張ります。ありがとうございました。

AFSどさんこ奨学生
AFS62期 スウェーデン派遣 / 渡部空

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