フィンランドでの10ヶ月の生活を終え、日本に帰国してから早1ヶ月が経ちました。今改めて振り返ってみると本当に沢山の出会いがあり、今までの人生の中で一番たくさん考えた10ヶ月でした。
初めのうちは帰る日がくるのはずっと後の事だと思っていましたが、留学生活が後半に入ってからの半年間は本当にあっという間に過ぎていきました。一日一日が風のように過ぎ去っていく中で、自分がフィンランドに来てから何をして来ただろう?と悩むこともたくさんありました。比べても仕方がないとわかっていても、支部のキャンプ等で他の留学生に会うたびに自分のフィンランド語の学習能力の低さに落ち込んだ事が何度もありました。
また、放課後にやる事を見つけられなくて、時間をただただ過ごしてしまっているのかもしれないとイライラしてしまった事もありました。
でもそんなとき必ず、ホストファミリーや学校の友達が話を聞いてくれて、「大丈夫だよ」と言って思いっきり抱きしめてくれました。その度に私は、困っている時に必ずそばにいて励ましてくれる素敵な人たちと出会えた事に何度も何度も気づかされました。そして、小さな事に悩むのではなく、留学の中で出会ったたくさんの人たちと一緒に居られる時間を思いっきり楽しもうと思いました。
さらにイースターにメーデー、夏休みと楽しい行事がたくさんあって悩んでいる時間がもったいなく感じました。イースターにはホストシスターやブラザーとチョコレートが入った卵の外側に絵を描いて家の中に隠したり、メーデーにはドーナッツを揚げたりしました。
せっかく留学生としてフィンランドにいるのだからその文化や行事を精一杯楽しもうと思えた事で小さな事に悩む事もなくなり、帰国が近くなって気がついてみると、悩んでいた事が嘘のようにフィンランド語での日常会話に困る事もなくなりました。地域のスポーツ活動などにも参加していくうちに、いろいろな人に出会い、帰国前日は何人の人と「また会おうね」という言葉を交わしたかわからない程多くの人が会いに来てくれました。
一年という短い間でしたが、異文化の中で悩み、時には新しい見方を学び、いつの間にか自分が今まで日本でどのように生活していたのか忘れる程フィンランドに馴染む事が出来たのは本当に周りの支えのおかげです。この一年を通して学び身につけた課題を乗り越えていく力はこれからの生活の中でも活かしていきたいです。そしてまたいつか「また会おうね」と約束した人たちに笑顔で会いに行きたいと思います。
2015年8月 フィンランド派遣
AFS61期生/AFSどさんこ奨学生 藤原瑞穂
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