れからの留学生活への期待と不安…
この二つの感情があるなかニュージーランドの地に降り立った。雲一つない晴天、広がる緑!まるで、私を盛大に歓迎してくれているような天気だった。日本からニュージーランドまで約12時間あったが、あっという間で、NZに来たというより日本国内を旅行しているようなとても不思議な感覚だった。
私は、一度も海外へ行ったことはないし、日常生活で英語を話したことはない。そのような状況で、長期留学をするのだから相当な覚悟が必要だった。留学を決してなめていたわけではない。けれども、心の中にはきっとどうにかなる…そんな気持ちがあった。
しかし、オリエンテーションでそれは簡単に打ち破られた。他の国からの留学生は、ネイティブ並みに英語を話すし、その人たちよりも話すスピードが速いのではないかという人もいた。同じ国(非英語圏)の人たちが、現地の言葉ではなく英語で会話しているのがとても羨ましかった。
2泊3日のオリエンテーションは、本当に辛かったし早く終わればいいなとしか思えなかった。自分一人だけ輪に入れず、馴染めず、英語が話せない…分かっていたことだが、改めて自分の現状をつきつけられとても悔しかったし焦った。
しかし、このオリエンで留学の思い出となるだろう物を手に入れた。オリエン参加生全員で、自国の言葉や名前、メッセージを一枚のシートに書いた。世界にたった一枚しかないシートを私は手に入れた。それは、私を勇気づけ、これからの留学生活を後押ししてくれるような気がした。
学校生活といえば、日本とは全く違い戸惑うことばかりだったがそれには今はもうすっかり慣れた。私の学校の生徒の8割はマオリである。言われてみれば、白人をみかけることは少ない。留学生は、私を含めてたった3人。とても小さな学校だがアットホームな感じがあり私は好きだ。
全校集会の時にはマオリ語がよく使われるし、自分のホストファミリーはマオリなので、私も少しだけマオリ語を学んでいる。マオリ語は、日本語と似ている部分がある。
インターバルやランチタイムは、外でサッカーやラグビーなどスポーツをして遊んでいる人が多い。授業が終わると鍵がかけられるため、クラスルームにいることできない。これにはとても驚いた。どんなに寒い日でも、雨の日でも外で過ごす。
学校はいつも3時に終わる。小学校低学年に戻った感覚だ。放課後は家族や友達と過ごすかスポーツの練習にはげんでいる人が多い。私は、火曜と木曜にサッカーの練習している。参加したことで、たくさんの友達ができたし会話をする機会が増えてとてもよかった。下手くそな自分でも毎試合だしてくれる監督には感謝している。メンバーのみんなはとても優しいしいいチームワークが保てていると思う。
私は、ニュージーランドがとても大好きだ。ここでは、自分がやりたいことに時間を充てることができる。
残り半年もないことに気付きとても焦っている。最近になって、ようやく英語も聞き取れるようになり、なんとか会話することも可能になってきた。未だに、どうしたら英語を上達させることができるかわからないが、会話できるようになるには人と話すことしかないのだと思う。間違えても、通じなくても伝えようとすることがとても大切だと実感した。
はっきりいうと時間がないし、まだ日本には帰れない。私の英語はまだまだである。留学で悔いを残さないため、そして残りの留学生活を楽しむためにも、日本ではできない体験をたくさんしたいし、もっとたくさんの人と話さなければならない。
友達や支部の人に、”Your English is getting better”といわれることが多くなった。私はとても嬉しいし喜びを感じる。学校で学んできた英語とは全く違い本当に癖のある英語だ。Kiwi独特の言い回しや発音、そしてマオリ語が会話の中に混ざってくることが多いので戸惑うことが多い。しかし、新しい単語の意味が分かるととても楽しい。こういう使い方もあるのかと新しい発見ができる。
留学をする前に英語を勉強してくればよかったと後悔している。先輩たちが言っていたが、こちらにきてようやくそれが理解できた。
留学の初めの一ヶ月、二ヶ月は本当に大切な時期だと実感した。留学先でしかできない貴重な体験がたくさんある。毎日が自分にとって新しく、新鮮で一日が過ぎるのがとても速い。残りの生活も前半と同様あっという間だろう。一秒足りも無駄にせず一日一日を過ごしていきたい。
2015年7月 ニュージーランドより
AFS62期生/ジャパン・ソサエティーみちのく応援奨学生 沼畑早希
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