こんにちは。早いもので私の留学生活もあと3か月になりました。留学を決意して、様々な方々のご支援を頂き、広島市の奨学生としてフランスに来てから本当に沢山の事がありました。
議論好きだと言われるフランス国民。自分の意見を押し付けているのではなく、自分という人間をわかってもらおうとする姿勢は本当に素晴らしいと思い、見習っています。故に、日本語を話す時の私と、フランス語を話す時の私とでは、性格が違うということに最近気付きました。この変化は充分フランスに適応できているサインだと受け止めています。
さて、今回の留学生活のなかで私が一番感じたことと言えば、フランス語のスキルアップ、もありますが、やはりAFSの概念である異文化交流と、それに伴う異文化理解です。
フランスは様々な人種の人々が交わる国です。かつてのフランス植民地だった国出身の人もいれば、近くのヨーロッパ諸国から移動してきた人もいます。ですから、一言にフランス!といっても各地域、家庭に様々な文化が存在しています。
例えばfromage、チーズです。一つの村に一種類のfromageと言われるほど、フランスには沢山のチーズ、もとい文化があるのです。ちなみに私の住んでいるワインの名産地Bourgogne地方にはワインで表面を洗うÉpoisses エポワスというfromageがあります。
フランス国内だけでそれほどの文化(fromage)があるわけですから、世界にはもっともっと沢山の文化(fromage)があり、私たちはそれを理解し、尊重しつつ共存をしていかなければならないのです。
日本を経つ前もフランスに来てからも、私はこう考えていました。それはおかしいことではなく、むしろ正しいことです。しかしある日、その概念に刺客が現れました。
捕鯨問題です。
日本は鯨を食べる国、という認識はフランスはもちろん、アメリカやベネズエラなど他国の留学生の間にもあり、その話題になった時は必ずと言うほどC’est pas bien よくない、と言われました。誰一人として何故そうするのかという理由を聞いてくれる人はいませんでした。
これは日本人である私が、他国と違う日本の文化を否定されて、あれ、異文化理解って何だろう?と思ったケースでしたが、世界中にはこの他にも様々なケースがあると思います。実際に当事者に置かれた私が感じたのは、異文化の理解・尊重、そして共存は実は奥が深く容易ではない、ということです。
目を開かなければ何も見えません。それと同じで相手の文化を受けとめなければ自分たちの文化も受けとめてもらえません。
17歳という年齢で、とてつもなく大きな問題に気付いた私ですが、若くしてそれらについて考えれることをむしろ好機と考え、残された3ヶ月をこの問題について考えつつ有意義に過ごしていこうと思います。
最後になりましたが、様々な面でお世話になりますAFSをはじめ家族、友人、そして広島市の皆様に厚く御礼申し上げます。
7月に成長した姿で日本・広島の土を踏めるように努力をします。
2015年4月 フランスより
AFS61期生/広島市高校生交換留学生奨学生 滝本美喜子
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