ここオハイオ州に来てから半年が過ぎ、帰国間近になってしまいました。信じられないくらい時が経つのは早いです。幸せだと感じることは勿論、辛い時もがいたことも記憶にありますが、正直この留学生活はたくさんの新しいことに圧倒されてとにかく毎日を過ごすことでいっぱいいっぱいだった気がします。
ここへ来て身に染みて感じるのは、人のあたたかさに支えられたということです。ホストファミリーが親切に世話をやいてくれたり、困っている時誰かに助けてもらったりする度にいかに人に暖かく接すること、感謝の気持ちを伝えることが大切なのか手本を見せてもらっている気がします。

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NYでOHIOのポーズ

アメリカではみんながハグやキスなど身を持って自分の愛情の気持ちを表現する分、それが人との関わりの上で大切なのだと気付きました。
クリスマスには近所の女性がお手製のお菓子のレシピを伝授してくれたり、イブには友達みんなの家にそのお菓子を届けに行ったり。ホストシスターと部屋の壁をピンクに塗ったり。
ハロウィーンでは本格的な仮装して子供たちに混じりトリックオアトリートをして、そのままお化け屋敷に行きました。
特にクリスマスはサプライズの連続でした。クリスマスの朝に家族みんなで早起きしてツリーの下の何十個ものクリスマスプレゼントを交換した後、ホストダディが私たち子供に「リビングに40個のコインを隠したから、それを全部見つけ出したら最後のプレゼントをあげる」といい、シスターと一緒に探し出しました。そして小さい箱を渡され、開けると今度は2枚のパズルが入っていました。組み立てると裏面にメッセージが。「Look in your pillow case」と書かれており、走って自分のベッドの枕の中を見てみると、遊園地のゴールドチケットが入っていて驚きました。

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オハイオの冬は本当に長く、朝が寒いというだけで「スノーデイ」と呼ばれ休校の知らせが来てどこへも行けずの日々が1ヶ月弱ほど続きました。それは冬眠のようで、春が来た時あんなに喜んだのは初めてです。

部活は、チアリーディング、ドラマクラブ、トラック&フィールドに入りました。フットボールのシーズンにチアリーディング部に入ったことはとても思い出に残っています。ホームカミングパレードに参加したり、毎週金曜日のフットボールは試合というよりお祭りのようでした。チアリーダーと観客がグラウンドでジェットコースターのダンスを一緒に踊ったり、ベンチに向けてTシャツやフリスビーなどのプレゼントを投げ込んだり、ゲームごとに仮装のテーマがあったり。
陸上は毎日きつい練習だけれど試合の日は金魚が泳ぐ池に選手が飛び込む競技があったりと、面白いです。

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私はシニアに配属されたので、ニューヨークへスクールトリップに行ったり、幸運にもカリフォルニアやシカゴへ旅行することができました。
違う州に行くと、それは他の国だと感じるくらい自分の住むオハイオ州とは雰囲気、話し方、運転の仕方、人々の性格など違いました。オハイオはおおらかな方な地域なんだなとその時感じました。
また、アメリカの修学旅行は中々体験できるものではないと思います。ニューヨークへは夜行バスで行ったのですが、生徒はバスの中で運転中にもかかわらず床で寝だしたり、音楽を大音量でかけたりとその自由さに驚きました。先生も周りの人も注意をしないし、他人がやっていることを基本気にしないのです。
自由の女神を見ながらクルーズの上でダンスパーティをしたり、規模の大きさに驚きました。

ここアメリカに来てから色んな人に出会って関わりたい、いろいろなことを知りたいという気持ちが強くなりました。留学生活が一度きりしかないこと、アメリカ人に人生を楽しむには何事も今を楽しんでこい!ということをいつも言われているからです。

また、言語の壁は自分が思っていたより大きいものでした。英語がわからなかった私は、自分が本当に赤ん坊にでもなったような気持ちでした。英語を流暢に話す他の留学生と自分を比べてみじめになったりすることもありました。しかし他人と比べているほど無駄な時間はない、気にせず自分を前に進めるしかないと思えた時、とても気が楽になりました。

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一番辛かったことはホストチェンジを体験したことです。私はホストマザーと色々あって、留学生活6ヶ月目、旅行のちょうど前日に、AFSからチェンジをしなさい、しかし旅行から帰ったらすぐ違う家に移って、それまではチェンジすることを誰にも言ってはいけないといわれました。
しかしそれを受容することは難しく、ホストファミリーとの楽しかった記憶だけが思い出され、それが本当にいい決断だったのかどうかやるせない気持ちに襲われました。しかし物事はとんとんと進んでいきました。旅行の前日、何も知らないホストダディとシスターが私を空港まで送って「行ってらっしゃい」と言ってハグをして送り出してくれたことは一生忘れないでしょう。それが家族として最後のハグ、そして最後の別れになったのはとても悲しいことですが、チェンジした後もホストシスターにあなたはまだ私の大切なシスターだよと言ってもらえたり、大好きなホストダディにもいつでも家に帰ってきなさいといわれた時は涙が止まりませんでした。
それからホストチェンジのことを本格的に乗り越えてからは、留学生活もいい方向に向かい、今は留学に集中して全力で楽しめていると言えます。

自分に反省する面もたくさんでてきますが、なにより今のホストファミリーも前のホストファミリーも私を本当の家族の一員として接してくれたことにはとても感謝です。どうやって今までの感謝を恩返しをしていけばいいのだろうと思います。
やはり何より留学しに来たのですから、努力しないことはホストしてくれる家族に対して申し訳ないし、努力しないことはホストへのリスペクトの示しにならないと思いました。何故なら私が何か努力した時、ホストファミリーはそれをみて必ず自分のことのように喜んでくれるからです。
残りの留学生活は、今までお世話になった人へ今までの感謝を恩返ししていけるような姿勢でとにかく全力でここの生活を楽しみ頑張りたいと思います。

2015年4月 アメリカより
AFS61期生/ジャパン・ソサエティーみちのく応援奨学金 中川真季

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