コスタリカでの普通の朝は、友達との「おはよう!」のハグから始まります。授業中はおもしろい話をして、先生も生徒も一緒になって笑い合います。
お昼になると、ホストシスターと一緒に行きつけのパン屋さんへ行きます。店員さんが「今日もいい天気ね」と話しかけてくれることもよくあります。
そして放課後には、大好きなマーチングバンドの練習が待っています。

rep20140808_crc01
マーチングバンド。クリスマスパレードの直前に

しかしある日、コスタリカの友達に、「日本人は真面目だ、いつも働いていて、ロボットのようだ」と言われたことがあります。日本人のあたたかさや優しさをよく知っている私はその時咄嗟に否定しましたが、心のどこかで共感したのを覚えています。
コスタリカの人々は確かにゆとりを持って生活し、自分の幸せに率直に生きているような気がしました。

rep20140808_crc02
マーチングバンド。パナマへ演奏旅行に行く途中

このような日々を過ごしていくうちに、幸せって何だろう、と考えるようになりました。
私たちは、「幸せ」といえば、経済的に豊かな生活を思い浮かべがちです。今回留学したコスタリカは、そんなに経済的に発展した国ではありません。しかし私は、たとえそのような環境にいなくても、今回感じた人のぬくもり、人との密な繋がりは、生きていく上で最も幸せなことであると強く思いました。
国が経済的に発展し、人の「幸せ」という価値観も変わってしまい、目先の欲望の解消だけを「幸せ」だと感じていくようになってきているのかもしれません。しかし私の感じた「幸せ」は、今後も持ち続けたいものとして、私の中に残りました。
環境や価値観、根底にある思想の違いを経験したことで、自分にとっての「幸せ」とは何なのかを見つめ直すことにつながりました。

rep20140808_crc03
ファミリーとクリスマスパーティー

そして同時に、国や環境が違っても、人とのコミュニケーションの基本は同じであることにも気付きました。
例えば、私が所属していたマーチングバンドの練習で学んだことは、一人ひとりの自覚と責任があれば、集団行動もうまくいくということです。
相手の話に耳を傾け、意見を尊重し、相手を理解しようとする姿勢は、世界共通で同じなのです。文化や社会や価値観が違っても根本的に通じ合えるんだ、そんな身近なことを意識するだけで、私は毎日の生活をもっと充実したものにできるかもしれない、と思いました。
それぞれの価値観は違っても、本質的な部分は皆同じだということは、私にとってとても「幸せ」なことだと感じました。

rep20140808_crc04
1年間お世話になった大好きなホストファミリー

これは、日本で生活しているだけでは気付くことのできなかった、とても大切なことです。今回の留学が、今の生活をより充実させる第一歩になってくれることと思います。

2014年2月 コスタリカ派遣
AFS60期生/広島市高校生交換留学生奨学生 氏原由梨子

▼留学中のレポート コスタリカは世界で一番幸せな国

▼高校生・10代の年間留学プログラム
コスタリカ年間留学情報 コスタリカ国別情報


この記事のカテゴリー: コスタリカ | 年間留学体験談