イタリアの南の街。ナポリの下に位置するノチェーラインフェリオーレに来てからあっという間に5ヶ月が過ぎてしまいました。
地域ごとに文化や方言が大きく違うイタリアでは、この街は主にナポリの文化が浸透しています。北イタリアの人から見れば、一番嫌われている街です。日本と違い他地域を時折軽蔑するのもイタリアの文化であると思います。
タイトルにあるように私の住むこの街はAMORE(愛)が本当に満ち溢れています。この五ヶ月間この街のその愛に毎日のように支えられてきました。
イタリアに到着した9月は、言葉は本当に何も話せない、何も理解できない状態で、毎日が辛く、それでも必死に話したくて話したくて毎日のように勉強しました。
家族と街に散歩に出かければ、すぐにご近所さんと立ち話。いつも私にもたくさん話しかけてくれます。しかし最初の頃はそれも嫌な時があり、理解できないのにわからせてくれようとして、もっとわからなくなって、毎日のその時間がなにか怖くもありました。
土曜の夜は100%友達と街を散歩します。最初のころ家でゆっくり夜更かししたりテレビをみたりしていたら、家族から「友達いないの?」と本気で質問されて、この文化を知りました。この日は自分ともう一人の友達の二人で最初散歩を始めたのですが、写真の通りいつの間にかこれぐらい集まってしまうのです。世界一おいしいナポリのピザを食べ、大好きな友達たちと過ごすこの時間ほど幸せで楽しいものはありません
精神的にも体力的にも一番大変になってきた10月の半ば頃、ホストマザーと些細なことから大きな言い合いをしました。思っていることすべてをぶつけた初めての日です。次の日にシスターからちゃんとしたこの家のルール、イタリアの文化についても教えてもらい、そこで初めて今まで自分が日本のなにかと比べ、わがままに過ごしてきたことがわかりました。
この日を境に自分の中で過ごし方、考え方が本当に変わったと思います。理由は簡単で、イタリアにいるのだからイタリア人みたいに、ナポリ人みたいに過ごせばいいんだ!とハッキリと思えたからだと思います。
その頃には言葉も少しずつ理解できるようになっていて、あれほど怖い思いをしていた毎日の散歩も毎日の楽しみになるぐらいこの街の文化に馴染めてきました。
学校に行けば、クラスのみんながチャオ!チャオ!と毎日笑顔で迎えてくれて、他クラスの友達まで毎日挨拶しに来てくれます。
学校だけでなくても街を歩いている時に見つけてくれれば必ず声をかける。土曜の夜はみんなで広場に集まってピザを食べに行ったり、いろんな友達に会いにぐるぐる街を回ったり…。
とにかく人と人との繋がりがこの街では一番大切なのです。その中で、毎日のように支えられ、街のみんなの優しさに触れここに過ごせているこの時間は本当に幸せな時間なのだと改めて思います。
言葉を学ぶことも大切ですが、ここで過ごしていくにつれて、もっと人として大切な物を学ぶことも必要なのだと感じています。
この留学を通して、いつでも帰ることができる第二の故郷ができました。
ここまでを振り返れば支えてもらってばかりの人生です。奨学金でここに居られること、日本の家族、友達、イタリアの家族、友達そして世界を通じてボランティアで活動してくれているAFSの方々。
残りの留学生活で、今の自分が将来に向けて恩返しできることをしっかりと学びたいと思います。
大好きな街に、次は自分のAMOREも残せてこれるよう残りの日々を大切に過ごしていきます。
2013年2月 イタリアより
AFS60期生/みちのく応援奨学金 中澤耀介
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