私は学校教育に対する興味から、アメリカと日本の高校教育の違いを自ら経験したいと思って留学を決意した。
ノースキャロライナ州のカーナースビルという町の高校に通っているが、日本の一般的な高校と私のホストスクールとで決定的に違うのは、ホームルームの用い方だ。
ホストスクールの生徒数は2000人超で40個程ホームルームがある。その役割は1学期に2、3回の連絡伝達のみで、それ以外は集合が皆無なので、殆どの生徒が自分のホームルームに誰がいるのかさえ知らない。日本でいう組やクラスのように授業前後に集まったり、学園祭などの行事に取り組んだり、掃除や係の仕事を行う事は無い(そもそも学園祭や校内清掃が無いが)。
ここに日本の一般的な高校教育にあって、私のホストスクールに無いものが1つ見える。
私は日本の高校で、学園祭のクラス発表や運動会等の取り組みによりクラスの団結が強まり、クラスメートとの友情や信頼が深まるのを感じた。文部科学省によるホームルーム活動の指導要領にも「個人及び社会の一員としての在り方生き方」という項目があり、日本の高校教育においてホームルームという仕組みには団体行動や協調性の学習という目的があるといえる。
私のホストスクールでは、ホームルームが日本と同様の目的で用いられていないことは明らかで、私が知る限り、スポーツチームや生徒会に入っていなければ他生徒大勢と協力して何かに取り組むことはない。
日本は協調性を重んじるのに対し、アメリカでは自己主張できることが求められるという話を留学前によく聞いたが、日本の高校とホストスクールを比較してみて(各州教育制度が違うのでホストスクールはアメリカの高校の典型とは言えないが)どちらも各国の特徴をよく象徴しているような気がする。
学校は大勢の人が集い1日の大半を過ごす場であるため、どの国でも学校の様子を観察するとその国の人々の習慣や文化が見えてくると私は考えている。本来のアメリカで高校教育を経験するという目的を果たして、このように自分の学校教育に対する考察や見聞を深められることをとてもありがたく思う。
2014年3月 アメリカより
AFS60期生/ボランティア奨学生 松田夏実
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