中国から帰ってきてはや二ヶ月が経とうとしています。今もホストファミリー、学校の先生、クラスメイトたちの顔が鮮明に浮かんできます。その度に、「また帰らんといけん」という思いが強くなるばかりです。
少しでも多くの人に留学に興味をもってほしいという願いも込めて、中国での体験を紹介させてください。
そもそも中国に留学したのは幼なじみの友達の留学がきっかけでした。自分は高校生活を毎日だらだら過ごしている隣で、留学に向け必死に語学勉強している姿に憧れて、自分も絶対に留学すると決めました。
友達には「なぜアメリカじゃなくて中国なの?」とよく聞かれていました。今、急激に成長を遂げている中国の様子を実際に生活して、肌で感じることにより、これからグローバル化していく社会の中で、柔軟に対応していく力を身につけることができると思い、中国に留学することを決めました。
そしていざ国を越えてしまえばそこは別世界で、最初は全く違う環境に適応できず、苦しみました。その中で辛くて大変な経験もしました。
一番大変だったのが、9月18日のデモの時でした。その日は柳条湖事件から81年が経ち、中国では大規模な反日デモが行われていました。中国へ一緒に留学した日本人の友達は全員危険を感じ休みを取る中で、自分は現地の先生に相談したら「そんなことは起こらないから大丈夫」と言われて、とても安心していました。
そして通常通り授業を受けていると、いきなり大きな音が5、6発鳴りました。爆竹の音です。その時例のデモだと思い、何度も深呼吸を繰り返していました。仲のいいクラスメイトに笑顔で「别担心(心配するな)」と何度も言われたのがとても印象に残っています。
結局その日は身の危険を感じることなく一日を終えました。でも自分の中でその日は一生忘れられない日になりました。この経験を通してもう一度両国の歴史を再確認し、見つめ直すきっかけになったからです。
このように中国での生活の一部分を切り取ってみれば、「中国ってこんな国なんだ」とそれぞれに思うはずです。でも自分は中国へ留学をして後悔していませんし、むしろ1年前より成長している自分を実感できます。
この留学で学んだことは、偏見だけで物事は解決に向かわないと言うことです。周りの意見を聞き、そして尊重し、自分の意見を相手に伝えること、つまり”相互理解”をすることが大事だと思います。人もたくさんいるようにその考えも十人十色です。多くの意見を聞いて多くのことを知ることが重要だと思いました。
以上が、自分が留学で学んできたことです。この経験を普段の生活に持ち帰り、さまざまな分野で力を発揮していきたいと思っています。
最後に留学するにあたって、プログラムの運営をして下さったAFSの方々、いつも周りから暖かく見守って下さったAFS尾三支部の皆さん、そして家族、友達、先生、その他関わって下さったすべての人に感謝します。ありがとうございました。
2012年中国派遣 三原大輝
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