2月16日。ブルターニュ支部活動パーティの際に時間を頂き、フランス人とAFS留学生合わせて計8カ国約70人の前で震災のプレゼンを行った。同時に日本料理のお寿司を紹介して、食べてもらった人に東北へのメッセージを書いてもらう『気持ちチャリティー』という取り組みも行った。つたないフランス語の中、表現できない部分は聴客席の人々の力を借りながら、単語を繋ぎ合わせ全身でジェスチャー。それでも、皆真剣な表情で聞いてくれた。
8歳程の男の子が津波のことを質問し写真集を何度も読み返してた。10歳の女の子が東北の人宛に絵を描いてくれた。私より若い世代の子が興味を持つのは予想外。遠く離れた国の事であるにも関わらず。相互理解に年齢は関係ない。胸が熱くなり、涙が出た。
世界のグローバル化がより加速する今日、我々次世代には更なる国際理解が求められている。
災害支援や原子力問題は今後地球規模で取り組まなければない課題だ。今回こうして各国から集まった未来を担う高校生達が、「東日本大震災」という一つの主題に対して、国境を越えて意見を交わし、協調し相互理解を深められた意義は大きい。
電力供給の75%を原子力発電に依存し、国内でも賛成・反対の議論が割れているフランス国で、福島原発問題や広島・長崎原発問題を、それぞれ東北・長崎出身の日本人高校生が、フランスの人々と各国の留学生に訴え未来の新エネルギーのあり方について議論した。 異なる国の視点から意見交換。例えば、ソーラー発電・風力発電など新エネルギー開発の第一線をゆくノルウェーの高校生。「私たちの国は未来・環境を考えたエネルギー開発を進めている。更に普及を進めれば、今原子力発電や燃料問題でもめている国の分も補えると思う。」同じ高校生の口から、他国の事まで考えた意見が出る事に驚かされた。
今回、この発表は周囲の人々の助けが大きかった。フランス語のパワーポイントやプレゼンは私の力だけでは不十分で、ホストファミリーや友達やAFSのスタッフの方々、他にも多くの方々に力を借りて成功する事ができた。途中プロジェクターが無くて発表中止になりかけた際は辛くて涙が溢れたが、地域の人々が急遽自宅からTVやコードを持ち寄り助けてくれた。地域コミュニティーの強さにも支えられた。その場にいた人々も、会場を包み込むような雰囲気を作ってくれた。私一人じゃ絶対できなかった。
発表が終わった瞬間の会場の一体感は忘れられない。涙を流して東北に励ましの言葉をくれる人、拍手が鳴り響き、終わった瞬間の仲間や地域の人からの抱擁、本当にやって良かったと思う。 小さな町で行われたパーティでの小さな発表に過ぎないが。一生忘れられない思い出になった。
2013年3月 フランスより
AFS59期生/みちのく応援奨学生 高橋奈々美
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