rep_france130403_rep1_01

こんにちは!bonjour!!
AFS59期みちのく応援奨学生一期生として現在フランスのブルターニュ地方に留学中の高橋奈々美です。留学を決めた当初、この体験談を眺めては夢の留学生活を思い描いたのが懐かしいです。
今回は、今留学に興味のある人や派遣が内定した人及びそのご家族方々に、私のフランスでの生活の様子から今後の参考になるものを届けられたら良いと思います。

東日本大震災後間もない2011年の高一の春に留学を決めました。当時、地元宮城県含め被災地域は混沌と不安が蔓延し、我が家の場合は津波の被害を受けた祖父母が普通の生活に戻ることさえままならない中、夢であった高校留学をみちのく応援奨学金にサポートされ、現在こうして留学生活を送っています。

幼い頃から両親の影響や、中学での国際交流を通して外国や国際関係の職種に興味を持ち、震災以前から高校留学を希望していました。
フランスを第一希望したのは、美術や建物の豪華なイメージに対する憧れはもちろん、第二共通語のフランス語が将来役立つと思ったこと。原子力問題や失業・ホームレス問題など日本と共通の問題が多く、新たな視野が得られそうなこと。今日「議論・自己主張ができない」と指摘される日本人と真逆に、議論・自己主張好きと言われるフランス人の考え方の違いに興味をもったこと。サルコジ氏からオランド氏に大統領政権が交代し、新たな時代が開かれるこの国に1年身を置くのも悪くないなあ…等々、多くの理由が重なりこの国にしました。
フランス語学習経験0で来て現在6ヶ月目ですが、喋っていると意外と何とかなるもので(笑)。非英語圏でも大丈夫ですよーっ!

rep_france130403_rep1_02

フランスでの生活は私の場合、平日は8時~17時まで学校、土日は休みです。高校は義務教育・服装自由で、教科コマごとに生徒が動き休み時間が日によって多くあります。日本では高校2年生ですが、こちらでは高校1年生にあたるSecondに在籍しています。
日本のような部活動はありませんが、水曜日の午後は授業が無く、多くの生徒がそこで各自のアクティビティをしています。サッカーやバスケの他に、日本の柔道・空手も人気ですし、海の綺麗なブルターニュ地方ではサーフィンをする子なんかも多いです。
土日は、ホストファミリーと買い物やスポーツに行ったり、学校の友達の家に泊まりに行ったりしています。またフランスではホストファミリーの友達など家族ぐるみでご飯を食べる機会が多く、様々な職種の人から話を聞き学び、広く人脈を持てる所も良い所だと思います♪^^

そして、フランスで最も喜ぶべきは2ヶ月ごとにやって来る長期休暇バカンスです!(ヒャッホーッ!!)いろいろな体験をしたい留学生の私は、ホストファミリーと旅行や友達とのパーティはもちろん、パリまで興味のある会社・企業を見学しに行ったり、一人旅をしてみたり、大学の日本語授業に参加したり、ここぞとばかりに動き回っています(笑)

『留学』って語学を学ぶ以上に、自分の欠点をどう補って建設的な問題解決ができるか、賢い立ち回り方とプロセスを学んでいる方が大きいなと感じます。やりたいことが多くあっても、留学生の私の行動一つで、ホストファミリーやAFS周囲にまで責任が及びます。身勝手に行動するのではなく、決められたルール内で、人の時間を無駄にせず、上手に切り抜ける手順を学ぶための良い勉強です。

時に大変な時もあります。急に不安の渦に飲まれたり、自分と絶えず向き合い続ける環境下で裸になった自分の心や欠点に嫌気がさしたり。自己形成の根幹であるコミュニケーションに言語ハンデがつくこと、それを乗り越える手段を身につけることが、今は楽でなくても将来絶対役立ちます。自分を強くしてくれます。

フランス国内での津波や原発に対する関心は高く、「津波は大丈夫?放射能は危険じゃない?」等、よく質問を受けます。特に原子力問題については、電力供給の75%を原発に依存しているこの国で、ニュース・メディアでも頻繁に「FUKUSHIMA」が取り上げられます。様々な震災の発信活動の場にも恵まれたので、その様子をまた活動レポートとして届けさせて頂きます。良ければこちらもご覧下さい。

rep_france130403_rep1_03

私の場合は、やはり日本の家族や仲間達と、フランスに来てから出会った人達が大きな支えです。最初のホストファミリーのマザーの脳に癌が見つかった時、負担になってしまう自分の存在、言葉がわからず読めない状況、不安で一杯でした。学校の同い歳男の子が警察に追われ自殺した時、残された家族や友達の様子を見て「命って何だろう」とも考えました。
そんな時に頑張れたのは、日本にいる、津波で両親や家を失っても今日を強く明るく一生懸命に生きている、東北の復興のために奔走している、尊敬できる仲間達の存在があったからだと思います。そんな人々に常に感謝しています。

伝えたい事がたくさんあるけれど、私の6ヶ月分の体験談は絶対書ききれません。それだけ充実した日々を送ることができています。
みちのく応援奨学金がきっかけとなり、多くの人に出会い、学ぶ機会やチャンスにも恵まれ、それが今日まで私を支えてくれています。フランスに来る前から私の留学は始まっていたし、7月に日本に帰ってからも続くのだと思います。
寄付して下さった方々のおかげで、応援してくださる方々のおかげで、こんなに充実した貴重な経験をしています。日本の家族にも周囲にも、フランスでも同様、心からの感謝と、自分もまた次の社会と東北の復興にこの恩を何百倍にもして返したいし成長し続けたいです。本当にありがとうございます。

これから留学する方々へ。
留学とは、離れた異国で数々の体験を積むのはもちろん、自分自身を巡る大きな旅です!楽しんで下さいね!(^0^)/
では次回もお楽しみに!à bientôt!!

2013年3月 フランスより
AFS59期生/みちのく応援奨学生 高橋奈々美

▼留学中のレポート「フランスで震災プレゼンテーション」
▼帰国後のレポート フランスでの素晴らしい一年
▼寄附 > みちのく応援奨学金

▼高校生・10代の年間留学プログラム
フランス年間留学情報 フランス国別情報


この記事のカテゴリー: フランス | 年間留学体験談

この記事のタグ   : みちのく応援奨学金