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ドイツでの留学生活が始まって早5ヵ月を迎えようとしています。今日まであっという間に過ぎたのは、この留学を通してもっといろんな事を吸収したい、自分の語学力の足りなさからくる焦りも要因だと思われますが、何よりホストファミリーや友達、先生、地域の方々、そしてAFS関係者の方の御陰で毎日を有意義に過ごせているからだと思います。

ホストファミリーは父、母、姉、弟2人、猫1匹に、うさぎ3匹です。日本での4人家族(姉は京都在住なので普段は3人)のあの妙に落ち着いた雰囲気と比較すれば、この家族は大分賑やかです。というのも、日本では末っ子の私にとって下に兄弟がいるという感覚が新鮮に感じたからだと思います。
たまに思春期で反抗期のホストブラザーたちとの接し方に戸惑う事もありますが、そんな時は「年下の男の子」として接するのではなく、「ドイツ語の先輩」として接するようにしました。
また猫が家の中にいるというのも初めての経験でした。黒猫であたかも魔力をもっているような雰囲気を醸しだしています。少し凶暴でお腹が空くとすぐに噛みついてきます。それでも着いてすぐに私の祖父が亡くなってショックで泣いていた時は、猫も人間の心情を感じるらしく、ホストファミリーと一緒に私を慰めてくれました。どんなに小さな一匹でもかけがえのない家族の一員なのだなと思いました。

ホストスクールはカソリックの女子校です。家がお寺で共学の高校に通っていた私にとって全く正反対の学校です。しかしこれも何かのご縁なのでしょう。小さい頃に女子校に憧れていた私に、マリア様が新しい機会を与えてくれたのかもしれません。
ドイツと日本の学校生活の違いは、やっぱりなんと言っても学校での過ごし方が自由だということです。日本のように校則に縛られる事がほとんどないため、まるで大学のように空き時間には自由に友達と好きな事ができます。しかし規制されないというのも大変で、自分で考えて判断し自身の行動に責任感を持たなければいけないなと感じました。

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同じ支部のAFS派遣生たちと一緒にベルリン旅行に行ったとき

ホストスクール他にも語学学校に通っています。同じ地区に派遣されたブラジル人の女の子、コスタリカの男の子、そして今はもう別の地域に移ってしまいましたが、もう1人コロンビアの男の子と一緒にドイツ語を学んでいました。
私だけ十分に英語が話せない事とラテン系のノリで、最初の頃はどうやって彼らとコミュニケーションをとればいいのかわかりませんでした。
しかしそのような私の心配はほんの些細な事にすぎなく、私が想像していたよりも彼らは日本に興味を持っていて、向こうから積極的に話しかけてきた事に驚きました。勝手に暗くなっていたのは私だけで、むしろ留学しても尚言葉や肌の色、文化や性別の違いにとらわれた考え方しか出来ていなかった事が恥ずかしくなりました。それからは自然とお互いに助けあったり励ましあったりする仲になりました。国や言語を超えた彼らとの交流で、自分の世界が確実に広がっている事を感じました。

最近はピアノを習いに行き、大聖堂の聖歌隊に入っています。ドイツに来た当初は日常生活に慣れる事に精一杯で、なかなか自分のやりたい事を言い出せませんでした。
しかしホストファミリーや友達に相談し、どうしても音楽をやりたい事を伝えました。これもまた言葉の壁で臆病になっていましたが、自分の思いに周りの人たちが応えてくれたので嬉しかったです。
伝えもしないで後悔するのではなくて、傷ついてもいいから自分の気持ちを誰かに伝えるのはとても大切だと学びました。これからも言葉の壁に臆することなく、しっかりと自分の気持ちを伝えていきたいと思います。

はやく感じるこの5ヵ月の間に、様々な今まで感じた事や考えた事のないものに出会いました。このように自分の視野と世界を広げていく事ができたのは、自分が踏み出した一歩だけではなく、それに応えて素晴らしい機会を私に与えくださったAFS関係者の皆様、みちのく応援奨学金に感謝します。

2012年7月 ドイツより
AFS59期生/みちのく応援奨学生 奥野怜子

▼帰国後のレポート「ドイツでのピアノ演奏」
▼寄附 > みちのく応援奨学金

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