~Talk with people who help you see the different world.~

7月23日から3週間、ニュージーランド教育体験プログラムに参加しました。
大学卒業後、教職に就き9年目になります。2校目になる現在の勤務校で5年目を迎え、1年生の担任をしています。

私が今回のプログラムに参加するきっかけは、職場の先輩教員の勧めでした。大学時代に留学を考えていたのですが、その機会をつかむことができないまま、教員生活も8年目が終わろうとしていました。現在の勤務校は国際交流が盛んな学校ではないため、生徒の引率でさえも海外に行くプログラムがなく、海外に目を向ける時間も余裕もないまま留学の夢も半ば諦めかけていました。
このプログラムを紹介してくれた先輩教員の方は、自身もこのプログラムに興味を持っていたようですが、以前から海外で学びたいと話していた私にぜひこの機会をつかんでほしいと背中を押してくれました。
夏季休業中のプログラムでしたが、正直仕事のことを考えると応募しようか迷う自分もいました。しかし、次第に「この機会を逃したら、絶対後悔する」という思いが強くなり、最終的にこのプログラムに参加することを決めました。

私を受け入れてくれたホストファミリーは、若い二人のカップルでした。
大学で音楽を学ぶ彼女は、AFSのプログラムで日本に留学したこともあり、日本についてよく知っていて驚きました。彼の方は映画やビデオ作成の会社で社会人として働いていました。
学校や仕事で忙しい二人でしたが、休日には町中で買い物をしたり、ジーランディアという自然保護区に行ったりなど、ニュージーランドの都市と自然の両方を満喫することができました。

滞在中は、地元のSouth Wellington Intermediate Schoolという中学校で研修をしました。
研修初日は、全校によるポフィリというマオリの伝統的な歓迎の儀式から始まりました。ニュージーランドで生活していくうちに、マオリ族はニュージーランドの先住民であるだけでなく、現在でもその言語や文化はニュージーランドに深く溶け込んでいるということがわかりました。
最初の一週間はホームルームと各授業を参観し、二週目以降はホームルームや日本語の授業に参加し、自分や日本の文化を紹介したり、日本語を教えたりしました。

ニュージーランドの教育は日本で抱く学校のイメージとは大きく異なり、研修が始まってしばらくはとにかく驚きの連続でした。
日本の文化に強く興味を持つ子供達も多く、積極的に話しかけてくれる子供達とのコミュニケーションを通して、外から見える日本のイメージを知ることができました。

充実した三週間を送ることができそうだと思い始めてきた頃、思わぬ壁にぶつかりました。それは子供達が私に話しかけてこなくなったことでした。
最初に興味を持ってくれていた子供達も私がいることに慣れ始め、その距離が縮まらなくなってきたのです。私自身もその距離をどう埋めていいのかわかりませんでした。
しばらくしてその壁を乗り越えたのは、自分や日本の文化について紹介し始めた頃でした。自分と日本のことを少しでも知ってもおうと、自宅に帰り次は何を話そうかと毎日考えていました。
折り紙の話をする前の日の夜は、プレゼントするために折り紙をたくさん折り、寿司を作る家庭科の授業では、お好み焼きを作って食べてもらうために事前に試作しホストファミリーに食べてもらうなど、自分にできることを考えて一日一日を過すようにしました。次第に子供達との距離も縮まり、授業外ですれ違う時に声をかけてくれることが多くなり、時には日本語で挨拶をしてくれることもありました。もっと早く行動すべきだったと思うと同時に、自分から発信することの大切も実感しました。

研修期間中、地元の高校に行き日本語の授業に参加しました。その高校では二人の先生が日本語を教えており、高等学校の日本語教育は中学校と比べかなり専門的な内容を扱っていました。先生方の日本語力の高さにも驚きました。
研修最終日には、日本語を教える教員向けのワークショップに参加しました。参加していた先生方の熱心な姿勢がとても印象に残り、日本で英語を教える立場としてとても考えさせられる時間となりました。

今回このプログラムの参加を通して多くの気づきと学びがあったことは言うまでもありません。その気づきと学びは、多くの人との出会いを通して得た物であり、今は自分が経験したことの一つ一つをこれからの自らの指導にどう生かすかを考え、実践することが大切だと思っています。
最後に、私に勇気と感動をくれた言葉を紹介します。
Talk with people who help you see the different world.
貴重な体験をさせていただきありがとうございました。


▼ニュージーランド教育体験プログラム
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この記事のカテゴリー: ニュージーランド | 教師向けプログラム体験談