この夏、私は短期派遣プログラムでアメリカのメリーランド州に行かせていただきました。メリーランド州は東海岸の真ん中あたり、ニューヨークの少し下にある不思議な形をした州です。
日本から飛行機で約13時間、学校の都合で途中から参加した私はみんなより4日遅れて到着しました。
現地のAFSスタッフの方が空港まで迎えに来てくださり、滞在場所であるジョンホプキンス大学までの道中、いろいろなお話をしてくださって緊張がほぐれました。到着してすぐに素敵な出会いができたなあと思いました。
また、ついてすぐ寮に案内されルームメイトと会うことができました。イタリア人のアウローラという女の子でした。
彼女は遅れて着く私が来るのをとても楽しみにしてくれているとスタッフの方に聞いたのですが、会うとすぐにとてもフレンドリーに話しかけてくれて仲良くなれそうだな、と嬉しくなりました。
私が到着したのは金曜日だったのでそこから怒涛の週末が始まり、今までにないくらい充実した一ヶ月がスタートしました。
毎日のスケジュールと内容について、まずはざっと説明します。そのあと、私が特に思い出に残っていることについてお話ししたいと思います。
月曜日から金曜日の午前までは毎日クラスがあり、夕食後は毎日違うアクティビティをします。金曜の午後から土日にかけて授業はお休みで、毎週違うところにみんなでバスを使って出かけました。
平日の1日を詳しく説明してみます。
朝は7時15分に男女それぞれ集合して朝食を食べに行きます。ご飯は三食、大学の食堂で食べます。ビュッフェ形式でたくさんのパンやサラダ、おかず、フルーツやデザートの中から自分の好きなものをとって食べることができます。たくさん種類があるし毎日少しずつ変わるので飽きることはありませんでした。
朝ごはんが終わったら8時半から午前中の授業です。クラスは最初に行われるテストによって、レベル別に3つに分かれていました。それぞれのクラスが交代で、大学のキャンパス内を移動しながら90分のクラスを3つ受けます。
1時間目はアメリカについて、州の名前を覚えたり、文化について、アメリカの政治制度について学ぶという地理のような授業です。アメリカを西海岸から東海岸まで歩いて横断するエッセイを書きなさいという課題が印象的でした。
2時間目は文章を書いてスピーチをするという授業で毎回宿題が出てこの授業が私にとっては一番ハードでした。特に、最後の課題だったのが、自分が自分の国の大統領(首相)になるなら、という設定でその選挙スピーチを考えなさいというものでした。
そんなこと考えたことがなかったし、現代の日本の問題についても考えなければいけなかったり、とても大変な課題でした。でもその分、最後の授業で正装をしてスピーチした時は達成感もあったし、他の国の子のスピーチを聞くのはとても興味深く、とても勉強になった課題だったなと終わってから思うことができました。
3時間目はYoung World Leadersという現地でのプログラムに沿った授業でリーダーシップの授業でした。この授業だけはスタッフさんが話をまとめてくれてみんなで輪になってディスカッションをするという形式でゲームをしたりもしました。ほかの国から来た子の発言力と積極性がすごいな、と思わされた授業で終始圧倒されてしまいましたがこの授業では日本では絶対に学べないことが学べたな、と思います。
午前の授業が終わったら、お昼ご飯を食べに食堂に行きます。三食そうなのですが、食堂の席は自由で日本人の友達と食べることもあれば、他の国の友達と食べたり、スタッフさんと一緒に食べることもあり、とても良いコミュニュケーションの場になっていました。
午後の授業は午前とは少し変わってSpeak Upとスポーツで英語を実践的に使っていくクラスでした。
午後の1時間目は幾つかあるクラスの中から自分で好きなものを選ぶことができ、私はdramaのクラスを選択してました。
午後の2時間目も選択の授業で好きなスポーツを選んでやっていました。私はダンスのクラスを取っていて、日本でダンスをすることなんて学校の授業以外ほとんどないことだし、私はスポーツがとても苦手なのでこのクラスを取ることは挑戦だったのですがとても楽しむことができました。内容はとても本格的でついていけないくらい難しいダンスだったのですが、言語の壁を超えて体を動かすことの楽しさを再確認できたような気がしました。
午後は2時間のクラスが終わったら早めの夜ご飯で(夜ご飯が6時から始まることは早すぎて私には割と新鮮な事の一つでした)そのあともう一度集合して毎日別の夜のアクティビティが行われていました。
夜のアクティビティについては楽しい事が本当にたくさんあって書ききれないのですが、日本人みんなで浴衣を着たファッションショーでは私は日本舞踊をやっているので、日本人みんなの着付けを手伝ったり、写真を撮ったり、短いポーズを披露したりして日本人の友達とも、他国の友達とも距離を縮められたきっかけになった私にとっては大切なイベントでした。
また大学のプールに行ってクールダウンをしたのですが、日本で夜にプールに行く機会はほとんどないのでとても新鮮で楽しかったです。
また、一週間に一回くらい、夜のアクティビティがない日もあってその日は自由に過ごすことができました。みんなでカードゲームをしたり、コンビニに行って必要なものを買ったり、テレビゲームをしたりして、楽しい時間を過ごしていました。
自由時間は他国の子と交流したり、まとまった時間がないとできないことをする大切な時間でした。自由時間のある夜はFlex Nightと言って前々から楽しみにするくらい、アメリカでの生活を楽しめる時間でもありました。
ここからは週末にあったことを中心に印象に残っていることを話していきます。
まず、この夏私はやりたかったことを全部アメリカでできたなと思っています。プールに行ったのももちろんビーチに行って海にも入ったし、キャンプファイヤーで焼きマシュマロもしました。みんなでダンスもしたし、お買い物もたくさんできました。また、私は着いてすぐトランクが壊れるというアクシデントに見舞われ、最初は本当にどうしようかと絶望的な気持ちになったのですが、このアクシデントをきっかけに、たくさん英語を話すことにもなったし、スタッフさんにも名前を憶えてもらえるきっかけにもなりました。スタッフの方にトランクを売っているお店に連れて行っていただきみんなはしていない経験をすることもできました。
最初は良くないことだと思っても、何事も良いきっかけに変えてしまえることがわかったできごとでした。
ビーチでビキニ姿になることも、日本では恥ずかしくてできなかったかもしれないし、アスレチックに挑戦することも日本ではなかっただろうと思います。ニューヨークで少人数のグループでグーグルマップを見ながら買い物をしたり、ハードロックカフェでダンスを見て盛り上がったり、ホテルのジムでトレーニングをしたり、本当にいろいろなことを経験しました。
そういう意味で、英語漬けになって英語の習得をすることはもちろんですが、それより何より、初めての事、なかなかできないことをたくさんできたことが本当に良かったな、と思っています。
そして最後に、この短期派遣で出会った人すべてに出会えて本当に良かったと思っています。
世界中に友達ができたらいい、と出発前は軽い気持ちで言っていましたが、日常的に連絡を取ってそれぞれ情報交換をするような友達ができたことは本当に嬉しかったです。今でも連絡を取っている友達はたくさんいます。これからもずっと連絡を取ってお互いの国を訪ねあうこともできたらいいなと思っています。
また、毎日の生活をサポートしてくださったスタッフの皆さんも本当に親切で、一緒にいると楽しくてそんな方たちとも連絡を取れる関係にあることをとても嬉しく思います。私は18歳で、全体で見ても年齢が上だったのですが、そんなことは本当に関係なくてみんなのパワーや積極性に驚かされてばかりで、自分の足りない面がたくさん見えた一ヶ月でもありました。
日本から一緒に行った仲間にも本当に感謝しています。常に刺激を与えてくれながらも、いろいろな面で助けてくれてみんな本当に大好きで大切な友達です。
この短期派遣に行く前、私にとって生活のすべては学校でした。学校が一番楽しい場所で、今の友達とずっと一緒にいたい、この場所を離れたくない、と本気で思っていました。
派遣を終えて、学校や学校の友達を好きな気持ちは変わりませんが、新しい楽しいことを知ることができ、もっと楽しいこと、刺激的な世界を探しに行きたい、と今の環境を出ることにも前向きな気持ちになることができました。前からぼんやりと考えていた、大学の間に一年間の留学をしたいという思いも強めることができ、まだまだ頑張らなくては、とモチベーションにもなりました。
今回、私に最高の夏をくれた全ての人に本当に感謝しています。
もし短期プログラムに参加するか迷っている人がいるのなら絶対に行くべきだと自信を持っておすすめできます。自分を変えるチャンスになる、かけがえのない経験をすることができます。
I love all the members of YWL, thank you for everything. I wish we can see again!!
-メリーランド派遣 桑原夏子
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