ナマステ!みなさんインドと聞いて最初に何を思いうかべますか。カレー、数学、映画。インドに行く前のイメージはこんな感じでした。
今回僕の体験談を読んでいるということは恐らくインドに少しでも関心があるからだと思います。ただインドは治安が悪い、腹を壊す、汚いなどのイメージで迷っているかもしれません。では、なぜ僕がインドに行こうと思ったのか話したいと思います。
それはもちろん、国際社会のこの世の中グローバル人材になるべく発展著しいインドに行き、すこしでも(略)とかそんな堅苦しい理由ではありません(笑)
そもそも僕は海外になんて行ったこともなかった人です。そんな僕にとって海外とは遠いものでした。
中学校では3年間も英語習わされていたけど、日本じゃ使う機会が全くないし、飛行機を降りたらそこでは違う言語が使われているなんてことを想像すると不思議でたまりませんでした。
海外に行ったことがないからか、友達から海外のお土産をもらうとすごく嬉しかったし、知らずのうちに海外というものが僕の憧れの場所でした。
AFSには短期留学と年間留学があります。僕の学校にもAFSで年間留学をする人がいました。それを見ていて自分も海外に留学をしてみたいなと思うようになりました。
年間留学も魅力的でしたが、学校の勉強のことを考えると行こうという決断ができませんでした。そこで夏休みを利用した短期留学に魅力を感じました。その時点ではどこに行こうとか、そういうのは特に意識していませんでした。
短期留学に行こうと思った経緯と書きましたが結局なぜインドにしたかというと、「面白そう!」この一言に尽きます。僕の通っている美容室の人は修学旅行を中々行けない場所という理由でモンゴルに行ったそうです。インドもなかなか簡単に行こうと思える場所ではありません。だからこそ今回行ってみようという気持ちが今考えるとあったと思います(実は中国への短期留学も気になっていたが、そんな気持ちがあったからかもしれない)。
僕の両親は幸いインドに行くことに賛成してくれました。というより、親の方からもかなりインドに行くべきと、勧められた気が… 親なんだから子供のこと心配とかそういう気持ちないのかいと思いながらも、今思うと「かわいい子には旅させろ」ということわざがあるように今まで両親に頼りきっていた自分を少しでも自立させようとしてくれたのかなと思います。
お待たせしました。インドでの体験談に入りたいと思います。
まず行ってみの第一の感想ですが「日本の常識が通じない!」です。良い意味でも悪い意味でも。本当に刺激的な一ヶ月でした。何度もなんだ、この国!帰りたい、と思っては、でももうちょっとこの生活をしてみたいな。と思ってしまいます。きっとインドには不思議な魅力があるのだと思います。
交通渋滞なんて日常茶飯事でした。日本の渋滞なんかと比べものにならないです。三車線の道路に五車線くらいできていて、信号は守らない。横断歩道なんて使わず歩行人は手を出して車をとめて道路を渡ります。バイクはなぜか歩道を走っていました(笑)最初はインディアン暴走族だ!とか思っていましたがいたって普通の人らしいです。
路上には牛とかヤギが平気で横切っています(こいつらのせいで渋滞していると言っても過言ではない)渋滞の中で培われたのかインド人は本当にドラテクがやばいです。小さなスペースにいとも簡単に駐車するし、裏路地だって車でスイスイ進んじゃいます(何回か運転手が当て逃げしたこともあるけど)。
インド人はみんなとても陽気で楽しい人たちばかりです。パーティーが大好きで1ヶ月のうち4回もパーティーに行きました。そこのパーティーではずっとダンスをしていました。みんな本当にダンスが大好きでいつまで踊るんだよ!ってくらいずっと踊っていました。
僕自身あまりダンスが好きでないというか苦手で最初は躊躇していましたが、踊ってみると楽しくて違う意味で一皮むけることができたと思います。インドのダンスはどう踊るとか決まってなくて楽しく踊れればそれでいいし、ダンスができるだけで人気ものになれます。
ホストファミリーの親戚の集まりの時も案の定踊らされました。そこでもやはりダンスの時間が一番盛り上がります。
そんな陽気な国民性からか英語研修のプログラムだけどほとんどダンスの授業を受けていたイメージしかありません。(それもそれで楽しかったけど(笑)みんながみんな、個性的で飽きることのない国がインドです。
インドの短期留学がおすすめできる点は、インド人全員おしゃべりであるということと、ルームシェアであることでしょうか。僕は一ヶ月間ずっと誰かと喋っていた気がします。学校では知らない生徒も僕に気さくに話しかけてくれました。
日本人の特性なのか、なかなか自分から話しかけることができなかったり、英語力に自信がなく話すことを拒んだりしてしまいます。実際僕もそうでした。だけどインド人は本当に喋るのが大好きで色んな話題を提供してくれました。
インドは18もの公用語が設定されていて様々な民族がいます。また様々な宗教がお互い尊重しあっています。そのためか異文化に対して理解があり、僕の下手な英語でも耳を傾けて一生懸命聞いてくれました。
いくら日本で英語をたくさん勉強しても結局最後は会話できるか、コミュニケーションをとれるかが重要だと思います。ただそのコミュニケーションも英語が上手いか、下手かはおいといてとにかく伝えようとすれば通じるし相手も聞き取ってくれるということがわかりました。
また、僕はインド留学の良さとして、ルームシェアを推したいです。普通の場合は一人一個部屋を与えられます。インドでは、ほとんどの家庭でルームシェアとなります。ルームシェアのおかげで家にいる間ずっとホストブラザーと話すことができました。一緒にゲームをしたり、ホストブラザーの恋話に付き合ってあげたり。
また、僕のホストブラザーは政治、経済、社会奉仕活動に興味があり、インドの政治経済についてたくさん話してくれました。死刑制度は撤廃すべきか、インドの核保有についてどう思うか、パキスタンとの関係はどんなものかなど話し、また議論をしたりしました。
ルームシェアをすると、ホストファミリーとの会話が途切れることなく、とても仲良くなることができます。もちろん英語力もアップします。ルームシェアのおかげで本当の家族、兄弟のようになれたと思います。
インドは本当に良いところでしたが、それでも貧富の格差は想像以上のものでした。ホストファミリーはお金持ちで不自由ない暮らしをしていましたが、少し外に出てみるとホームレスがたくさんいます。車を止めると物乞いが車を叩き、立体交差の下はホームレスの住処、脚や手のない人たちは僕たちの同情を得るため近づいてきます。
僕にとって憧れであった海外ですがこのような一面もあるということを思い知らされました。
僕は今まで何不自由なく生きてきました。そんな時もスラムの人は生きるのに必死で大変な思いをしている。自分の住む日本はどんなに恵まれていて、僕はその日本という国しか知らなかった。インドにこなければスラムの存在なんて気にもかけなかったと思います。
僕の知らない世界を肌で実感し、自分のちっぽけさを思い知らされました。
インドでは大変だったことも多々ありました。お腹を壊したり、まずいものが出てきたり。
でもそれ以上にインドはとても魅力的で温かい国です。ホストファミリー、インドの友達、さらには近所の人々までもが温かく僕に接してくれました。いきなり来た人に話しかけてくれたり、食べ物をお裾分けしてくれたり、これらは日本ではなかなか感じることのできない温もりでした。
日本に帰るときなんてスクールバスのみんなから、「次いつインドに来るの」「今度インド来たら僕の家遊びに来て」など言ってくれ本当に嬉しくてたまりませんでした。ホストブラザーは前日の夜からベッドでずっと泣いていて、僕もそれで泣いてしまって。それを最後に笑顔でお別れするぞ!と意気込んで学校に登校しました。
でも最後、ホストファミリーとお別れするときに「ずっとインドにいていいのに。あなたは私の息子よ」と言われ感極まって涙が抑えきれなくなりました。なんでこんなに優しくしてくれるのってくらいみんないい人たちばかりでした。
そして日本に帰った今でもみんな僕とコンタクトを取ってくれます。本当にインドにいる友達、ホストファミリーは僕にとっての宝物です。(一緒に派遣プログラムに参加した友達も本当に最高でした!)
初、僕はインドなんてほとんどの人が行くことのない国と述べました。だって治安が悪いし汚いし…でもそれだけの理由でインドに行くことをやめたのならばすごく勿体無い!とインドにいった僕は思います。
「世の中には2種類の人間がいる
インドに行ける人間と行けない人間である。」
三島由紀夫
なぜ作家である三島由紀夫がこの言葉を書いたのか知りませんが、インドには僕たちの知らない魅力と神秘があるのでしょう。多分僕はまたインドに行きます。二度も三度も。(もしかしたら永住するかも?笑)また一緒にインドにいった友達と行きたいです。
思い返すと初めての海外、最初は本当に不安でいっぱいでした。それでも楽しい一ヶ月間を過ごせたのは、困った時助けてくれた日本の友達、いつも僕のことを気にかけてくれたホストファミリーとAFSのスタッフの皆さん、インドの友達、インドに行かせてくれた両親と祖父母のおかげです。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
この夏一生忘れないであろう素晴らしい思い出ができました!!
ダンニャワード(ありがとうございます)