私は今回AFSの短期派遣プログラムでインドへ行きました。今回が初めての海外だったため周りには驚かれましたが、行く前も帰国後もインドが好きなことに変わりはありませんでした。
そして実際にインドに着きまず初めに驚いたことは、人の多さです。さすが人口が世界第二位だけあって、あらゆるところに人がいました。
また、インドの道路にも驚かされました。まずは交通量です。道路には信号がほとんどないので、みんな自分の好きなスピードで道路を走り抜けていました。また、歩行者は車両の間を縫って歩いていて、自分が道路を渡る時は車に待ってもらって渡っていて、車と歩行者が同等な立場にいることがおもしろいと思いました。
そしてインドといえば牛ですが、牛も同様です。日本のように秒単位で物事がせっせと動くのとは対照的に自由に生きる、つまりいい意味でインドは混沌としていておもしろいということをインドの道路から感じました。
現地での生活について。
普段の日はホストシスターと一緒にバン(学校の生徒の乗合バス)に乗って登校します。バンは基本的に毎日同じメンバーが乗るので、学年が違くても話しているうちに自然と打ち解けることが出来ました。小学生くらいの子もいて、私に積極的に話しかけてくれたり、日本語を教えてあげたり、バンの中で一つ小さなコミュニティーができ、楽しい時間を過ごすことが出来ました。
そして学校です。
イタリア人と日本人の合同授業で、英語で文法や音楽、ヨガなどを学びました。日本にない授業も多くほとんどが生徒が主体的に参加する授業で、プレゼンテーションやロールプレイングもしました。英語だけではなく、自分で何かを表現する力を養うことができたと思います。
そして休日にはホストファミリーと親戚の家に遊びに行ったり寺院やショッピングモールに連れて行ってもらったりしました。
ショッピングモールにお寿司の店があり、ホストファミリーとお寿司を食べたりもしました。外国の寿司は日本の寿司に少し外国風にアレンジを加えたもので、日本人からしても美味しかったです。
また、ホストファミリーやその友達、学校の先生は私に積極的に話しかけてくれ、自分の拙い英語にも熱心に耳を傾けてくれて、人の温かさを感じました。外国に第二の家族ができた、これはホームステイならではの貴重な体験だと思います。1ヶ月間だけでしたが、毎日一緒に過ごして家の手伝いもしてみたり、家族同然のように接してくれて本当に楽しかったです。
そして、このプログラム中に体験した、ある忘れられない思い出があります。
インドには俗に言う「物乞い」と呼ばれる人がたくさんいて、話には聞いていたけれど実際には想像を絶するような生活を送っています。しかしそれでも大抵の人は、現実から目を逸らすために物乞いをして得たお金で薬物に手を染めてしまうそうです。そのため、どんなに可哀想だと思ってもそのような人にお金をあげてはいけない、とホストファミリーから言われていました。
ある日のことです。その日は休日でホストファミリーと親戚の家に行った帰りのことでした。そこには道端でレモンを売っている小学生くらいの兄妹がいました。今回もお金を渡すことはできないだろうと思っていたその時です。ホストマザーが私に言いました。「その子たちからレモンを買ってもいいよ。」
彼らの父親は病気のために働くことができないため、レモンを売って自分たちで学費を稼いでいるのだそうです。私はレモンを買いました。それも私たちからしたらほんの小遣いにもならないくらいのお金です。すると二人は少し戸惑いを見せながらもとても嬉しそうでした。上の子は少し涙ぐんでいて、私のこのお金がほんの少しでも二人の足しになればいいな、と思いました。
また、貧富の差を目の当たりにし、これは解決しなくてはならない世界の大きな課題だと思いました。
私は今回このプログラムに参加して、語学力の向上だけでなく、文化の違いを受け入れて何事にも積極的に取り組むことがどれだけ大切かを学びました。インドという国を肌で感じ、様々な側面からインドを見でたくさんのことを考えました。
言語の面からすると、言葉にしなくては自分の意思が通じない世界でどのように自分を表現し、仲間と接していくのか。この1ヶ月間で世界で生き抜く力が少しなりとも身についたように感じます。
そして私は将来国際的な場で働きたいと思っていて、その目標に少しでも近づきたいということもあり、今回このプログラムに参加しました。今回の新鮮な経験を将来に活かせるよう、これからも国際的な視野で物事を考えていこうと思います。
最後に、今回このプログラムに参加するにあたり手厚いサポートをしてくださった、AFSをはじめとするたくさんの方々に深く感謝申し上げます。
インド短期プログラム派遣 早川実紗
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