私が派遣されたのはカナダのオンタリオ州にあるHamiltonという都会すぎず田舎過ぎない過ごしやすい街でした。ファミリーはホストマザー、6歳のホストシスター、そしてドイツから来たシェアメイトのJuleという女の子でした。
ホストマザーは私たち留学生2人にたくさんの経験をしてほしい、と言って本当にたくさんの所へ連れて行ってくれました。平日学校が終わった後にはビーチや映画館や図書館、週末には教会や、フットボールの試合、Niagara Fallsにある親戚の家へいってお泊りをしたり、歴史の勉強にとお城に連れて行ってくれたり。特にすることがないときにはカナダ、ドイツ、日本の文化の違いを教えあったりと、毎日が新しいことだらけでとても濃密でした。

sp_story_canada06-1

また、その行く先々でたくさんの人に出会いました。私がカナダで出会った人たちは本当に皆親切で、温かい人たちでした。ホストマザーの親戚の家に泊まりに行ったときは、叔父さんがアフリカ系の人だったので、アフリカ料理を知ってほしいと豪華なディナーを振舞ってくれ、教会へ行ったときには、Pastorが私とJuleをわざわざ前に呼んで、“この子たちが無事に留学を終えて、その経験をいろんな人とシェアできるよう祈ります”と言って、教会にいた人皆で私たちのためにお祈りをしてくれました。Pastorは日本の独特な宗教観に興味をもってくれて、色々なことを質問してくれました。

通学で使っていたバスの運転手さんにも何度も助けてもらいました。また、1つ驚いたのがバスを降りるときに皆“Thank you!”と運転手さんにバスの後ろのドアからでも叫ぶことです。日本ではあまりない光景ですが、それが当たり前でした。皆が年配の方に席を譲りすぎて逆に席が空いてしまうほどだったこと、多民族国家で様々な人種がいて、それぞれの文化の違いを受け入れあっていることなど、日常の些細なことにカナダの人々の温かさがにじみ出ていました。

sp_story_canada06-2

もちろん、1か月間大変なこともたくさんありました。自分の英語が理解してもらえないこともあったし、クラスメートのヨーロッパ系のたちと文化も言語も違いすぎて距離を感じることがあったり、Chineseと言われたり。最初のころはそれを気にしていました。しかし、途中からはそれもすべて“文化の違い”として楽しもうと心がけました。自分の心持次第で1か月は辛いものにも楽しいものにもなると思います。

1か月の留学を通して、人と人のつながりの大切さ、物事をいろいろな視点から見ること、自分考えや自分の文化が“正しい”と思ってはいけないことなど、本当にたくさんのことを学びました。今私たちはいわゆるネット社会といわれる社会を生きていて、つねにたくさんの情報に囲まれています。その情報というのは常に嘘であるわけではありませんが、思い切っていざ広い世界に触れてみると、いかに自分の目で確かめて、自分の考えをもつことが大切かわかります。人やネットから受け身で得る情報と、偏見や先入観を捨てて自分の目で見て経験する現実は大きく違います。
高校生の夏休みは勉強や部活とやることがたくさんあると思いますが、選択肢の一つとして“留学”を選ぶのもとても自分のためになると思います。机の前だけの勉強からでは得られない刺激的で素晴らしい経験がたくさんできると思います。私は、カナダから帰ってきて5か月ほどたった今でもカナダでの日々を思い出さない日はないほど素敵な思い出をつくることができました。

最後に、こうやってたくさんの経験をさせてくれて、新しいものの見方や人と人のつながりのすばらしさを教えてくれた、家族、友達、AFSスタッフのみなさん、カナダで出会ったすべての人に心から感謝します。Thank you so much.

▼短期留学プログラム


この記事のカテゴリー: カナダ 短期留学体験談