我が家には、今ネパールからの留学生スミトラ18歳がホームステイをしながら飯田風越高校に通っています。

佐々木さんとスミトラ

 

私には、二人の息子がいます。長男は小学校5年生の時に韓国へ、中学校2年生の時にアメリカへ1ヶ月ほどの短期のホームステイにいきました。
次男は中学校2年生の時にアメリカへ1ヶ月の短期ホームステイと、大学生の時に1年間アメリカの大学に留学しました。二人の息子達が、それぞれ外国でホストファミリーに大変お世話になったこともあり、私も少しでも外国の方々のお役に立てればと、学生に限らず国籍も問わず外国の方々のホストファミリーを受けることを始めました。

レオニ(ドイツ)とパメラ(ノルウェー)と次男一家と

ホストファミリーを始めてから今年でおよそ40年が経ち、我が家にステイした外国人は今いるスミトラで150人を数えます。
私も主人も旅行が好きで、年に多いときは3回ほど、外国への旅行に行っていました。旅行と言ってもいわゆる観光旅行ですが、ツアーで参加して、ガイドさんに紹介をしていただいた家庭に入り、その国の人たちの日常生活経験をするのが好きで、その家庭の人たちと多くの友好関係を作ることもひとつの目的として楽しんできました。また、それがきっかけで、その人たちを日本の我が家に招くことも数多くありました。

私は現在76歳、主人は7年前に他界し、今は子供たちも家を離れそれぞれに家庭をもって生活しています。
主人がいた頃は違った国の外国の方が4人一緒にステイし、国際色豊かに生活ができ、賑やかな時期もありました。

受け入れた国はグリーンランド(デンマーク)、アメリカ、ニュージーランド、タイ、フランス、カナダ、インド、韓国、中国、フィリピン、オーストラリア、ドイツ、スリランカ、ノルウェー、ガーナ、イギリス、モンゴル等々。色々なステイプログラムの人たち、150人の受け入れをしましたが、期間が一番長くステイした留学生はAFSでの1年間の受け入れでした。3月末に来て、4月から学校に通い、2月に帰国するという日程でした。

佐々木さんとスミトラ

生徒は最寄りの高校に通い、日本語もしっかり学び、たくさんの友達もつくり、帰国の際には日本語能力検定合格をして帰国するという熱心な生徒もいました。1年間、生徒を預かると愛情もわき、我が子のように愛おしくもなり、どんな家庭でどんな両親に育てられたのか興味もわくものです。
1年間家族のように生活する中で、その子供の家庭の様子が浮かんできます。我が家では1年間の受け入れをした時は、生徒が帰国する時、生徒と一緒に主人と共に見送りながらそのまま留学生の家庭を訪問し、1週間ほど留学生の家族にお世話になって帰ってくることも度々ありました。

留学生の家で生活をしていると、日本で思い浮かべた家庭のイメージと、不思議なほど一致しました。日本にいても何もしない、言うことを聞かない留学生は、やはり自分の家でも同じでした。そうかと思うと気が利いて頼まなくても自分から行動してくれる留学生は、自分の家でもやはり気が利いて、言われなくても自分から動く姿がありました。
「親を見ればどんな子供かわかる、逆に子どもを見れば、どんな親かわかる」とよく言ったものです。

ラボの学生の受け入れ、AFS年間・セメスタープログラム生の受け入れ(1年間高校に通う)、SENIORS ABROAD の受け入れ(仕事をリタイアした人たちが日本のあちこちを旅する)、ミズーリの大学生の受け入れ(今田人形の勉強に来て、夏の人形劇フェスティバルで発表して帰国)、ガーナの既往構成日本研修旅行の受け入れ、Japan Fulbright Memorial Fundでの先生の受け入れ、JICA青年海外協力研修生の受け入れ、日比友好協会での先生、生徒の受け入れ、飯田仏語圏交流プロジェクト(レキップ飯田)の受け入れ、長野県河北省高校生交流事業の受け入れ、個人的に友だち、友だちの紹介の受け入れ等、様々な分野での受け入れでしたが、気がつけば、150人とは、自分でも驚くばかりです。

レオニとボーイフレンド

受け入れは1日から2〜3日、1週間、数週間、数ヶ月、1年と様々ですが。同じボランティアでもAFSのように1年間の受け入れを度々していると、友だちから「幾らもらえるの?」と聞かれることがあります。「全然」と答えると「それじゃ何のために?」と聞かれます。私は「好きだから」と答えることに留めますが、お金では買えない尊い経験ができる喜びを実感しているからこそ、今日まで続けられたと確信しています。

我が家を訪れてくれた人たちの国がテレビに映されると、今頃、彼らは何しているだろう?元気でいるだろうか、と思いをよせています。最初は、100人は受け入れをしたいという夢をもって頑張ってきましたが、いつの間にかその夢は叶い、150人を数えるまでになっていました。

佐々木さん

私も年を重ね、一人での受け入れはとても無理かと思いつつ「何とかお願いできませんか」と頼まれるとついついOKしてしまいます。それは、自分の知らない国の文化や生活の様子を(その国に)行かなくても知ることができ、自分の視野を広げるだけでなく、自分の心を豊かにしてくれる尊い経験だと思えるからです。
今はSNSで何処の国の人たちとも気楽に話ができ、近況を知ることのできる世の中です。我が家に来てくれた人たちも、帰国後、何回も彼氏を連れて来たり、友だちを連れて来たりして、里帰りをしてくれることがとても嬉しいです。外国のあちこちに友人がいると思うと心豊かで幸せに感じます。

現在、長男(52歳)は教員を、次男(47歳)は外資系の会社で留学時代に学んだ知識をふんだんに使って海外を飛び回っています。二人の息子が外国で学んだことは、いまの生活に確かに活かされており、息子たちのお陰で普通では味わえない生活と経験をしている母がここにいます。
”感謝”


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