2024年7月、AFS日本協会はアパルゥ駐日ガーナ大使にお目にかかり、これまでにAFSプログラムでガーナから来日した生徒の活躍や交流によって生まれた変化についてお話しするとともに、大使からはAFSや日本のコミュニティに期待することなどをお聞きしました。

ガーナはアフリカ大陸の西部にある国です。AFS日本協会は、2005年に短期プログラムで4名を、長期プログラムでは2013年から2023年までに8名を受け入れてきました。
初めてガーナからの長期プログラム生として来日したのはクワベナくんです。彼は当時を振り返り「日本での1年間の滞在は、単に高校に通うためだけの場所ではなく、私の人間的成長にとって極めて重要でした。多様な経験を通して、私は心を開き、受け入れ、社交的になり、自分がどうありたいかを知ることができたからです」と、高校生でプログラムに参加する意義について語りました。
ガーナ生との交流は、日本のコミュニティにも変化を生んできました。ガーナやアフリカの国々を身近に感じるようになった、という方だけでなく、ガーナ生との出会いがその後の進路に大きく影響したと話す方もいらっしゃいます。

現在、アフリカで日本車の生産と普及に尽力されている方は、学校生活を共に送ったクワベナくんとの出会いに触発されて大学時代にアフリカを旅し、現地を走る日本車の多さと認知度の高さから自動車メーカーでの活躍を志したそうです。高校当時を振り返り「彼の明るさや勤勉さ、そして毎日を一緒に過ごした一年を通じて、彼のような次の世代が作る未来はきっと明るいものになるはずだと実感を持ち、私もいつかその一助となれたらという想い」が背景にあったことを教えてくださいました。

このほかにも留学時にお世話になった先生と日本語で交流を続けている生徒や、在ガーナの日本人アーティストと協働している生徒、ガーナへ帰国後も剣道を続け、現地で剣道の普及に勤めている生徒などもいます。

アパルゥ大使は、これらの生徒の活躍に触れ、プログラムの意義を確認した上で「私は、日本の家庭がAFSのようなプログラムに参加して、世界に影響を与えることができると確信しています。日本にはたくさんの良い友人がいますが、彼らと関わるほど、とても温かく歓迎してくれることがわかります」と話し、これまでに生徒を受け入れてくださっている方々への感謝をお伝えくださいました。

また、アパルゥ大使は、顔が見える関係性で互いをより理解しあうことの大切さについても言及され、「大使館として何よりも望んでいるのは、ガーナと日本の良好な関係が政府レベルにとどまるのではなく、個人と個人のレベルでより深い理解を生み出すことです」ともお話しくださいました。アパルゥ大使は「アフリカやガーナを含む世界各国からの留学生を受け入れることは、日本の家庭が世界的な文化理解と平和の促進に貢献できる方法のひとつだと、私は考えます」として「この取り組みに、より多くの方に参加していただきたい」と強調されました。

AFS日本協会は、2024年3月に「AFSアフリカ奨学金」(AFS Japan Scholarship for Africa)を設立しました。本奨学金はアフリカ各国・地域から来日する年間・短期プログラム留学生への奨学金給付を通じてアフリカとの草の根の交流をこれまで以上に活性化し、さまざまな異文化と接する機会を提供するというAFSの目的をさらに追求していくものです。詳しくは下記のニュースをご覧ください。

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