2023年6月2日(金)東京の国立オリンピック記念青少年総合センターで、2023年派遣予定の「AFS平和の鳩プロジェクト」生が、本プロジェクトを支援してくださっている方々に留学の抱負を語りました。

「AFS平和の鳩プロジェクト」は、2019年から運用されている全額奨学金事業です。今から約60年前の1962年〜63年にアメリカに留学した篤志家(AFS第9期生)のご遺志に基づき運用されています。

9期生が留学していた当時、世界を揺るがした出来事が「キューバ危機」です。第二次世界大戦後、冷戦状態にあったアメリカとソ連が、ソ連によるキューバへのミサイル配備を巡り核戦争の脅威に直面したのです。世界中が動向を注視していました。リーダーたちの判断により危機は回避されましたが、これは、対話と外交交渉の大切さを示す出来事でもありました。
世界各国から渡米していたAFS生は、帰国前にホワイトハウスに招かれ、人類が共に生きられる世界のために行動してほしい、というジョン・F・ケネディ大統領のスピーチを聞く体験もしています。

ジョン・F・ケネディ大統領からAFS生へのスピーチ(1963年 ホワイトハウス)

公正で平和な世界のために行動できる人になってほしいという思いは、AFSの基本的価値観であり、この奨学金事業にも込められています。

そして、もうひとつ込められているのが「次の世代につなぐ」という思いです。

「母の影響で私自身も留学し、私の子供を含む孫たちも海外で学んでいます。母の留学は、世代を超えて私たちの家族に受け継がれています。そして、家族だけでなく、若く優秀な高校生の皆さんがこうして留学に臨むことは、自らの人生に大きな影響を与えたAFSの留学体験を次の世代につなぎたいという母の願い通りだと思います。」

「私たち9期生は日本が貧しかった時代に全額支援を受けてアメリカに渡った。この体験を次につないでいかなければいけない、社会に返さなければいけないという思いがある。時に、恩返しをしたい人はいなくなってしまうこともある。だから、私たちは『恩送り』と言って、自分がしてもらったことは、別の人に送ろう、と活動している。」

本奨学金事業を見守ってくださっている方々から生徒に送られたメッセージです。

対して生徒からは「日本を外から見てみたいと思い、応募した」「留学先で楽しそうにしている姉を見て、引っ込み思案だった自分も留学をしようと思った」などの留学を決めた理由や、「英語漬けの毎日を送りたい」「いろんな人と関わりたい」「ジェンダー格差が世界一低いと言われている国の実情を見たい」など留学中に取り組みたいことなどが話されました。

派遣生のみなさん、ホストファミリーや周りの人とよくコミュニケーションをとって、実りある留学生活にしてくださいね!

最後は生徒さんおすすめのポーズで写真撮影をして閉会しました。

心身ともに健康に過ごしてね

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