2022年5月6日から8日、AFSネットワークに加盟している64団体と準加盟団体の代表者約200名は、ギリシャのアテネに集まり、2022年のAFSネットワーク会議を開催しました。
AFSは、世界56か国のパートナー組織が協働するグローバル・コミュニティです。ネットワーク会議は、互いの結束を深め、事業の方向性を確認しあうために毎年開催されています。この2年間、オンラインでしか会えなかった各パートナーの理事や事務局幹部職員、国際理事、国際本部の主要スタッフは、2年ぶりに集まって結束を高め、困難な時代でも何ができるか考え、「活発なグローバル市民活動を通じてより公正で平和な世界を実現する」という我々の目的を達成するために必要な、次なるステップを考えました。
異文化交流を提供し続ける意義
パンデミック中にデンマークに留学したギリシャのAFSプログラム修了生であるエレフテリア・ソフーは、AFSが若者に与える影響と異文化学習の意義をこのように語りました。「より多くの人が留学プログラムに参加すれば、人種差別、差別、不公平はなくなるはずです。AFSのグローバルファミリーの一員となった若者は、他者と関わり、関係を築き、心を開く力を得ることができるからです。」
パンデミックによる混乱を経て、AFSは、留学プログラムに再び期待が集まっていることを実感しています。国を越えた交流はパンデミック前の水準に近づいているとの予測もあります。今回の会議では、ホストファミリーとボランティアにも焦点があてられました。
AFSネットワークが次に目指すこととして、自身も奨学金プログラムで留学したソフーは「AFSはより多様な人々の声に耳を傾け、力を与え、教育について積極的に取り組み、社会から疎外されたグループをさらに包摂する必要がある」とAFSネットワークに強く求めました。
AFSネットワークのパートナーは、多様性、公平性を追求すること、そのために奨学金に支えられた留学を拡充し、バーチャル・エクスチェンジやオンライン・プログラムを積極的に提供していくこと、また、よりインクルーシブに、さまざまな人と協働して、イノベーティブな活動を続けていくことを確認しあいました。
平和のためにグローバル市民を育成しつづける
ネットワーク会議中に開催されたグローバル教育フォーラムで、AFS国際本部の会長、ダニエル・オブストは「AFSは教育という最強の武器で常に平和の側に立つことを約束する」と発言しました。フォーラムの出席者の一人、ハーバード大学のプロジェクト・ゼロの主任研究員であり、AFS理事会メンバーでもあるヴェロニカ・ボイックス・マンシラは、「平和とはダイナミックな概念であり、バランスをとる行為であって、永久的な状態ではない」と語りました。
現にウクライナでは争いが起こり、平和を脅かす紛争や暴動、テロは、他の地域でも起きています。
公正で平和な世界を実現させる唯一の道は、一人一人が多様性を尊重し、寛容な姿勢を大切にし、互いに協力しあえる力を持つことです。
最後に、2022年にAFSの交流事業が75周年を迎えるにあたり、AFS各国は共同宣言に署名しました。
AFS共同宣言 2022
「AFSは常に平和の側に立ち、ウクライナでの紛争を最も強い言葉で非難する。この激しい紛争の影は、2つの世界大戦が始まり、AFSが設立されたのと同じ大陸で起こっており、公正で平和な世界を実現するという私たちのミッション達成までほど遠く、私たちの使命がこれまで以上に適切かつ緊急で重要であることを思い起こさせるものです。」
AFSは、これからもより多くの若者が多様な人々と出会い、関係を築き、心を開く力を得られるよう、受け入れるコミュニティの開拓を含め、異文化学習機会の提供をすすめていきます。
AFS国際本部による2022年AFSネットワーク会議の報告(英語)
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