AFS友の会は、2022年3月20日、元駐ウクライナ大使の天江喜七郎氏による緊急オンライン懇談会を開催しました。

2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻が日々激しさを増し、数多くの命が失われている現状への憂慮と関心の高さから、参加者はこれまでで最多の300名近くとなり、懇談会冒頭、まず参加者全員で犠牲になられた方々への黙祷が捧げられました。

天江さんの講話では、元ウクライナ大使としてのご経験を踏まえ、歴史的、地政学的視点から捉えたウクライナ情勢に関し、主に「なぜ?」(プーチン大統領が戦争を始めた理由、背景)、「どうなる?」(ウクライナの今の危機の行く先はどうなるか)、「どうする?」(日本はどう対処すべきか)、の三つに分けてお話下さいました。

天江さんの講話に続いて、コメンテータの大塚清一郎(元スウェーデン大使兼ラトビア大使、AFS7期生1960-61)と沼田貞昭氏(元カナダ大使、元外務報道官、AFS7期生1960-61)のお二人が、それぞれのご経験を交えてコメントを述べて下さいました。

最後の質疑応答では、参加者から停戦交渉について質問があり、天江さん、大塚さん、沼田さんから丁寧なお答えを頂いて懇談会は終了しました。

尚、懇談会終了後、「ロシアとウクライナの歴史、ウクライナの国民性、プーチンとゼレンスキー両大統領の人物像などを分かりやすく説明して頂き、今回の紛争に関しての理解が深まった」など、多くの感想が参加者より寄せられました。

【講師プロフィール】

天江喜七郎(あまえ きしちろう)氏
元駐ウクライナ大使。昭和42年一橋大学卒業。外務省入省後、イギリス陸軍語学学校でロシア語研修。1991年ソ連崩壊時の在モスクワ日本大使館公使。2004年のオレンジ革命時の駐ウクライナ大使を歴任。ウクライナからの避難民支援のために積極的に活動している。

大塚清一郎(おおつか せいいちろう)氏
AFS7期生(1960-61)。昭和41年一橋大学卒業。ニューヨーク総領事、駐スウェーデン大使(ラトビア兼轄)などを歴任。スリランカ内戦時代には、反政府グループ「タミールイラム解放の虎・LTTE」の本拠地に乗り込み、和平交渉実現のために明石康日本政府代表と共に活動。

沼田貞昭(ぬまた さだあき)氏
A F S7期生(1960-61)。昭和41年東京大学卒業。外務報道官、駐パキスタン大使、沖縄担当大使、駐カナダ大使などを歴任。パキスタンでは、2001年に9.11事件後の米国等NATO諸国の対タリバン軍事行動、2002年の印パ戦争一触即発の危機を経験。現在、日本英語交流連盟会長としてグローバルコミュニケーター育成のボランティア活動を努める。

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