来日中のダビッド・リヤーノ博士(スペイン出身・1992年ジャマイカ派遣)を学生ボランティアが取材しました。
「もし、あなたが自分の身体をだんだん動かせなくなると知ったら、限られた時間をどのように過ごしますか?」
ダビッド・リヤーノ博士 <CSIC(スペイン高等科学研究院)名誉科学者>
私は1992年から1993年まで、故郷スペインを離れジャマイカにAFSで留学していました。肌の色も、生活様式も、何もかも母国とは違う場所で過ごした経験は、私に多くの可能性を与えてくれました。
大学卒業後、科学者として国際的に活躍していた最中の2008年、筋萎縮性側索硬化症(ALS)だと診断されました。現実をなかなか受け入れられませんでしたが、徐々に限られた時間の中でやりたいことはすべてやろうと思えるようになりました。
診断から13年。現在は招聘研究者として、4か月の間千葉大学で研究をしています。
ALS患者に限らず、すべての人間に平等に訪れるのが死というもの。人は死を忌み嫌うのではなく、前向きに死に向き合うべきです。死と向き合うことで生が輝くのだと思います。そして、すべての生命の時間は尊いものですから、若者にはぜひなんでも挑戦して、夢をたくさん叶えてほしい。AFSでの高校留学も人生を豊かにしてくれるので、本当におすすめです。
私も自分の夢をかなえるために、これまで自分から積極的にアクションを起こしてきました。ご縁があって自分を主人公としたドキュメンタリー映画で主演も経験しましたし、いまでも友人に助けてもらい、さまざまな場所に旅しています。
自分ひとりではできなくても、仲間の助けがあればできることはたくさんあります。必要な助けは求め、出会った人たちとの時間を大切にし、人生をとことん肯定する。夢は「方法を見つけて」叶える。
それが私の生き方です。
▼学生記者のコメント
初の英語でのインタビューで不安でしたが、Davidさんはとてもオープンですぐ打ち解けてくださり、命や人生について深く考える充実した時間となりました。どんな時でも夢を追うことをあきらめないDavidさんの姿を思い出せば、つらくてもきっと前を向いて生きて行けそうです。
(取材・執筆:東京学生部 下坂瑞稀)
ダビッドさんの主演ドキュメンタリー映画『7 Lakes, 7 Lives(7つの湖、7つの人生)』予告編
この記事のカテゴリー: AFSからのお知らせ
この記事のタグ: 活躍する帰国生