2021年8月31日夜、アジア架け橋プロジェクト生(フィリピン、カンボジア)と、NPO法人キッズドア「English Drive」で英語を学ぶ生徒がオンラインによる交流を行いました。
セッションは1時間の予定でしたが、伝えたい・知りたいことを発表し意見交換を行った結果、交流は約2時間にわたりました。
日本からは、青森・福島・東京・神奈川各県から6人の生徒が参加。夏休み中は、各人が出身地域の紹介資料を準備し、英語で発表内容を考え、繰り返しプレゼンテーションの練習をするなどして、準備を重ねました。
フィリピンとカンボジアから参加したのは、アジア架け橋プロジェクト修了生15人と2021年度来日予定生10人。発表にあたり、両国の生徒は「どうしたら自国の文化や生活を、楽しく、かつわかりやすく伝えられるか」を考え、構成を検討。各人が日本語力にあわせて2カ国語で原稿を作成し、当日に臨みました。
3か国の生徒が、クイズや美しい写真で自国を紹介
自己紹介の後、フィリピン、カンボジア、日本3か国の生徒がそれぞれ自国の概要・学校生活・文化・食べ物や観光名所を紹介するプレゼンテーションを行いました。フィリピンとカンボジアの生徒は、日本語を交えながら、文字、文化や学校生活に関するクイズを出題しました。
最後に発表したキッズドアの生徒は、青森・福島・東京・神奈川の地域別に、自分が暮らす地域の概要や観光名所を、美しい写真とともに英語で紹介。音楽やアニメに話が及ぶと、それまではメモを取りながら真剣に話を聞いていたフィリピンとカンボジアの生徒も、「知っています!」と笑顔になりました。
音楽・アニメや学校生活など、幅広い話題で交流
プレゼンテーションの後、3か国の生徒は、小グループで交流を深めました。好きな音楽・アニメや、各国の生活など、話の内容もさまざまです。カンボジアの生徒から出された「田舎と都会、どちらの暮らしが好き?」という質問では、東北の生徒が「地方に住んでいるからこそ、都会で暮らしてみたいと思うし、海外留学にチャレンジしたい」と答えました。終盤では、「いつかそれぞれの国を訪れてみたいね」と対面での再会を望む声も聞かれました。
セッション終了前は、チャットボックスに参加生のSNSアカウントが次々に表示され、手を振りながら別れを惜しみました。
互いへの関心と語学学習の意欲が高まる
今回のセッションにより、NPO法人キッズドアの参加生は、同世代との交流に欠かせない英語の学習をさらに頑張ろうという意欲につながったと言います。カンボジアとフィリピンの生徒からは、「日本語学習や日本への理解をさらに深めたい」という感想が寄せられ、相互に交流意欲が高まりました。
フィリピンから参加したアジア架け橋プロジェクトの修了生(2021年3月帰国)は、セッション終了後に、次の感想を寄せました。
“準備にあたり、NPO法人キッズドアの活動を調べ、東北復興に関するプロジェクトを立ち上げていると知りました。日本は危機対応が早いとはいえ、自然災害の衝撃は、子どもたちの心を傷つけます。奨学金を得て日本に留学していた時、自分は、豊かな国で厳しい現実に向き合う同世代の疎外感について、考えたことがありませんでした。先進国と発展途上国の貧困を比較することは難しいですが、世界中の国々にとって決して終わることのない問題です。今回のセッションを通して、自分はパンデミックのなかで留学という特権を得ていたのだと感じました。でも、その特権とは、世界で起こっている出来事に目をつむることではないのです。”
オンライン交流は、国や地域を超えて同世代が交流し、意見を交換できる機会です。コロナ禍であっても、異文化に触れる入口として、高校生の学習意欲向上や学習継続の動機づけにつながるという手応えが得られるセッションとなりました。
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