異文化理解について理論やモデルを用いて学ぶICL(Intercultural Learning)をもっと留学生のサポート現場に役立てたい!そんな強い気持ちから、ボランティア有志が中心になり、全国のボランティアを対象とした勉強会企画が立ち上がりました。
「なぜ留学生は予想外の振る舞いをするのか?」
「どうしていつも同じようなトラブルが起きるのか?」
「どのように生徒とホストファミリーを仲裁すればいいのか?」
会では毎回留学生を受け入れる現場でよく起こるトピックを1つ取り上げ、異文化理解モデルを使って問題の背景を考えながら、成功事例を共有したり、解決の方法をみんなで考えたりしています。
初回のテーマは「ICLから見た私たちの新しいお弁当」。7月4日にオンラインで開催されました。
留学生を受け入れるにあたって、高校生のお弁当を毎日つくるのは大変という「お弁当問題」が全国のあちこちから聞こえてきます。また、お弁当が大変だからホストファミリーになるのは不安で…と受け入れ自体を断られてしまうケースも少なくありません。
他の国でも同じような課題はあるのだろうか?と、日本から海外に留学した帰国生たちにランチ事情についてアンケートをとったところ「これをお弁当と呼んでもいいんだ!」と思える簡素な例がたくさんあがってきました。そうして海外と日本のお弁当を写真を使って比較し、さらにICLツールの中から「文化次元モデル」を使って考えると、世界的にみて特徴ある日本のお弁当文化とその背景が見えてきました。
参加者からは「お弁当が”愛情の示し方”につながっていると気付いた」「”周りに見られたときに恥ずかしくない弁当でないと”と、世間体とセットになっている、手が抜けないプレッシャーがある」といった感想が聞かれました。
そして、その背景を踏まえたうえで、どうしたら現実的にこの問題を解決できるのか、座談会形式でアイデアを出し合おうと第2回懇親会が8月1日に開催されました。全国で留学生を現場でサポートしているボランティアはオンライン上でグループに分かれ、身近で起きている事例を共有しながら、留学生やホストファミリーにどんなアドバイスができるかを考えました。正解が見つかるものではありませんが、私たち自身がどんな文化の中で生きているかという視点から考えることができ、とても有意義な勉強会になりました。
留学生の受け入れを通して、異文化理解について考えてみたいという方は、ぜひ活動にご参加ください。全国でボランティアを募集しています。
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