2020年8月2日および8日、AFS生として留学し、新型コロナウイルスの影響で緊急帰国せざるを得なくなった高校生がオンラインで集まり、留学経験を経て感じたことを発表しあう「スピーカーズコーナー」を事務局・学生部で共催しました。2019年の夏、また2020年の冬から留学し、2020年の3月~4月に帰国した生徒のうち55名が参加し、27名が、それぞれの体験や思いを発表しました。
●同じじゃなくてもいい、自分がいいと思うかどうかだ
「人生の視野が広がった。大学はどこでもいいと思ったし、いつでもいいと思った。留学を通じて、いろんな人生を送っている人と出会って、留学をする前には、考えもしなかった選択をしている。自分を好きになることができた。人と比べるのではなく、自分がいいかどうかで決める。そうやってこれからも生きていきたい。」
●遅すぎることなんてない
「先生や友だちにも反対されたが、高3の夏から留学した。留学先では、クラスの中に二歳年上、二歳年下がいるなどして、クラスメイトが全員同じ年ではなく、年齢を気にしなくていいということを感じた。大学生になってから留学すればいいという人も多いが、高校生のうちに感じられたのは、よかった。いまは先が分からない状態だが、全く後悔していない。実際にやってみたり、自分の肌で感じてみたりしないと分からないことが山ほどあると感じた。」
●後悔があるから、これからを変えられる
「ホストファミリーと一緒にやりたいと思っていたこと、やらずにいて後悔したことがいっぱいあった。コロナによる緊急帰国で、自分の未来を予測することができないと体感した。帰ってきた事実は変えられない。変えられるのは、いまやること。やりたいと思ったら、いまやるしかないと思う。」
「友だちにもファミリーにも恵まれた。それでも留学は最高だったって言えないのは、自分のせいなのかな、と思う。自分が壁をつくってしまっていた、自分が恥をかかないために無意識に人に意見を合わせたり、わかっていても、会話に入らないことで逃げていたりした。その中でも、自分が経験したことはたくさんある。今回、自分の留学は最高のものだったと言えないけれど、それがあるから、この先、新しい環境になったときもう一歩進めたらいいかな、と思っている。」
●知識だけでなく、体感することを大切にする大人になりたい
「グローバル社会だ、多様性を大事に、など、自分では理解しているだろうと思っていた。知識では分かっていたけど、実施、留学してみたら、自分が知っていると思っていたこととは全然違った。実際に行ってみて、体感するのが大事だということを気づかされた。1回1回、経験して、体で学ぶっていうことを大事にしていきたいなと思った。」
●力の限り、歩いてみたい
「言葉のかべ、人間関係の壁、壁がいくつもある。何度くじけても、立ち上がって歩けたのは、自分を受け入れてくれたホストファミリーがいたから。本当の意味で人間同士、分かりあえたと思う。帰る場所ならここにある、そのひとことで、自分はなんだってできると感じた。AFSの留学は、はじめから期間がきめられている。永遠じゃない。人生も同じ。壁にぶつかっても何度だって立ち上がり、人は常に流れる時間を生きている。歩いていればどこかに必ずたどり着けるというわけではないが、自分で歩かないかぎり、前に進めない。力の限り、歩いてみたいと思う。」
●理想の生き方を見せてくれたホストファーザー
「留学中は、辛いことも楽しいこともたくさんありすぎた。やっと友だちもできて、自分の居場所もできて、残り3か月で頑張るぞと思っていたところにコロナで早期に帰国となり、意気消沈した。この経験を活かして頑張っていくぞ、と言っていても、前を向けなかった。一方、ホストファーザーは、学校生活を終えられないのはおかしい!と言ってホストスクールや地域の教育機関、大使館にまでかけあってくれた。おかげでオンライン授業を受けられ、休校で会えなかった人たちにもちゃんとお別れも言えた。実は、ホストファーザーからは、私からも学校や教育機関に手紙を書け、と言われていたが、私も家族もあきらめてしまっていた。ホストファーザーは、最後まで、私、というか、他人のために最後までたたかってくれて、結果的に、やりきったと言うことができた。オンラインで学校を終えることができたから、前を向ける自分になれた。もともと留学を通じて、世界で苦しい思いをする人のいない世界をつくりたいと思っていたが、自分が目標にしていたことが、自分が実際に経験したことと重なった。将来は、ホストファーザーのように、本人が諦めていたとしても、他の人のために、手助けできる人になりたい。」
このほかにも、「自分から行動すれば周りは変わる」「一度勇気を出したら、何も怖くなくなった」といった気づき、「自信やプライドを失っても、いい方向に変わることがある」「予期しないできごとに直面し、自分で判断する力が試された」といった経験談や、将来に向けた抱負として「自分を表現できる人になりたい」「素直に助けを求められる人になりたい」「人の気持ちを理解して、寄り添える人になりたい」「支えてくれた人に恩返しをしていきたい」「無意識のうちに人を傷つけることのないよう自分の意見を持ちたい」「日本に仕事を求めに来ている人を助ける仕事をしたい」などの思いが熱く語られました。
また、後輩に向け「あまり興味のないことでもすすんでやってみよう」「本当の自信はみせびらかさなくていい」などのメッセージもありました。
後半には、大学生ボランティアと高校生が混合になったグループに分かれて、発表の感想、伝えきれなかった体験、その国や地域ならではの共通点を共有し、大いに盛り上がりました。
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