アジア各国と日本をつなぐ“架け橋バトン”

「アジア高校生架け橋プロジェクト」は、奨学生にたいして日本滞在中の日常的な国際交流をうながすとともに、帰国後の地域貢献活動を奨励しています。日本での体験を母国の人々と共有することで、生徒は自らの異文化理解をさらに深め、両国の「架け橋」として、同世代や地域にインパクトをもたらしています。
(構成・翻訳:架け橋プロジェクトチーム 若生麻衣)

※この投稿は、カケハシ通信No.007号(PDF)にも掲載されています。


インド

後輩に「人生を変える」経験をしてほしい

氏名:パテル,ディープ(架け橋プロジェクト1期生)

ボランティア研修を受講した生徒(前列右から2人目)

5月24〜25日、インドのニューデリーで、AFSインドが主催したボランティア開発研修会に参加しました。ボランティア・トレーニングを受けたのは、何よりもAFSが大好きだからです。僕は現在、自分のまちに滞在するイタリア出身のAFS生のLP (リエゾン・パーソン=留学生・ホストファミリー/寮・ホストスクールをつなぐ、AFSプログラムの相談役。情報伝達、相談対応、話し合いの場の設定など、AFS生滞在期間を通して、必要に応じた支援を行う)として活動しています。

架け橋プロジェクトへの参加は、僕にとって人生を変える出来事でした。このような体験を他の生徒にもしてもらいたくて、僕はいま、新たな架け橋生を派遣しようと尽力しています。

先日、架け橋プロジェクトの応募を検討している生徒の母親と電話で話しました。彼女はいま、息子の派遣にむけて準備をしています。

改めて、僕にこのような機会を与えてくれた「アジア高校生架け橋プロジェクト」に、日本政府・AFS日本協会とAFSインドに感謝します。

メモを取りながらトレーニングを受ける生徒(写真中央)

ミャンマー

長崎の原爆体験者との出会いを語る

氏名:ブア,フライ(架け橋プロジェクト1期生)

プロジェクトを紹介する1期生(写真中央が寄稿生徒)

第1期生ミャンマーチームは、3月31日、ヤンゴンで開催されたMAJA(ミャンマー元日本留学生協会)の会議で、架け橋プロジェクトの紹介をしました。僕たちは、帰国直前のオリエンテーションで授与されたプロジェクトのピンバッチをつけて参加しました。プログラムに関心を寄せてくれた多くの参加者から質問がありましたが、できる限り応えました。

その時、一人の新聞記者からインタビューを受けました。僕は、年末年始に滞在した高知県で出会った、92歳のおばあさんのことを話しました。彼女はホストファミリーのおばさんで、長崎の原爆投下の生存者で戦争の悲惨さを2時間にわたり、僕に教えてくれました。当日のインタビューがミャンマーの雑誌で紹介され、AFSやプロジェクトの名前も掲載されました。

月刊誌『タンリヤート』に掲載された記事

ベトナム

SNSや動画サイトを活用し、生徒募集を展開

氏名:ゴック・アイン(架け橋プロジェクト1期生)

共に過ごした架け橋生の協力を得て、日本の高校生活を紹介するビデオを制作

私が帰国後、架け橋プロジェクトに貢献したことを紹介させていただきます。
最初に、帰国したらすぐ日本での体験について紹介する動画の編集を始めました。友達か自分で撮った動画を全部集めて2週間で編集したんです。そしてYouTubeにアップロードしてSNSでも広く共有しました。みんなに応援していただいて嬉しかったです。よろしければどうぞご覧ください!

▼[ASIA KAKEHASHI PROJECT] 6 months in 4 minutes

それから、私の高校の生徒たちにも架け橋プロジェクトを紹介しました。日本語専門の各クラスで日本で体験したことや身につけたことなどをプレゼンテーションにして話しました。関心のある生徒と先生方はたくさんいたんです。日本に興味のある生徒に、この貴重な機会を本当に知ってほしいので、校内だけじゃなく、塾でも広めるようにしました。

日本滞在中の思い出。この貴重な機会を多くの生徒に経験してほしい

さらに、Facebookで日本留学に関するグループやコミュニティに架け橋プロジェクトについて投稿して、多くの人に注目されたんです。特に、ベトナムの日本学生支援機構(JASSO)は私に面接して、私が作った動画、留学体験や架け橋プロジェクトの情報をJASSOのウェブページに載せたんです。動画の再生回数は1,700回を突破したんです。
その結果、今回架け橋プロジェクトのベトナム応募者数は去年より随分増加したらしいです。去年受かった生徒はほとんどがハノイ出身でしたが、今年はホーチミン、ダナンやフエといった南部出身の人もいます。
今、今年のベトナム架け橋プロジェクト生徒たちが仲良くなって留学を助け合えるように、Facebookで全員を探してグループチャットに入れたのです。お互いに会ったことがありませんが、楽しくていっぱい話していました。いい先輩になれるように頑張っています!(日本語原文を掲載)


インドネシア

イベント・TVやSNSで架け橋プロジェクトを積極的に紹介

氏名:アディラ,ニバ(架け橋プロジェクト1期生)

東日本大震災8周年の追悼イベントにて

こんにちは。帰国後に、インドネシアで私が取り組んだ活動を紹介します。

  1. カー・フリー・デーでたいやきを作り、架け橋プロジェクトを紹介
  2. 政府主催のイベントで日本文化や日本での生活について紹介
  3. 高校のパーティーで、浴衣を着て日本文化を紹介
  4. 日本紹介イベント「文化祭」で、日本の歌「未来へ」を歌唱
  5. 政府主催の東日本大震災8周年の追悼イベントに招かれ、日本の歌を披露
  6. 地元テレビ局の番組に出演し、架け橋プロジェクトと日本での生活を紹介
  7. SNSを通して問合せがあった「架け橋プロジェクト」応募者に対応。インタビュービデオをYouTubeで公開
  8. 地元ラジオ番組に出演し、今年度の架け橋生4人を紹介

架け橋プロジェクトに関心を寄せる生徒は多く、彼らと話すたびに「ホストファミリー、高校や友達とどう接するべきか」をアドバイスします。私にとって、日本での経験はとても貴重なものだっただけに、彼らが将来の架け橋生となるよう願って活動しています。

地元TV局に出演し、日本での経験をシェア
紙面には掲載しきれなかった元原稿や翻訳も掲載しますので、ぜひご覧ください。

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