12月15日土曜日、ボギ(スロバキア)とワン(カンボジア)はホストスクールである高取国際高校から「奈良県留学生・研修生の日本語による体験発表会」に参加しました。

いつも明るく留学生活を楽しんでいるボギは「日本に来てから変わった自分」、上達した日本語で笑いも交えながら話し方もとても上手に発表しました。
秋に来日したワンは「言語と世界観」、日本語が上手なだけでなく、よく考えられていて審査員の先生もびっくりしておられました。

ワンは「会長賞」、ボギは「JICA賞」を受賞しました。

以下、ボギとワンのスピーチの内容です。(ホストスクールの先生はほとんど手を入れておられないそうです)


ボグラルカ・グヤーシュ(スロバキア出身)

こんにちは!

私の名前はボギです。ヨーロッパから来ました。身長は168センチ、髪の色はブロンドで、目の色はブルーです。日本人と比べて違いはたくさんあります。だから時々、私を写真を一緒に撮りたがる人もいます。
日本に来たとき日本語が全然喋れませんでしたから、会話はできませんでした。みんな少しは英語を喋って欲しいと思っていました。だけど私は変わりました。日本語を頑張らなきゃいけませんでした。頑張っていなかったら、たぶんまだ歯磨き粉の代わりに入れ歯安定剤を買っていたでしょう。

今はもう日本語が喋れるようになりました。でも今みんなは英語で話しかけてきます。一回お店の人と話しました。その人は最初からずっと英語で話しかけて来たけど私は日本語で返事をしました。2分後お店の人はちょっと話をやめてびっくりした顔をしました。「あ、あなたは日本語を喋れますね?」私はしんこきゅうをしてかわいい笑顔をしながら「はい」と答えました。

最近V6のテレビ番組のおかげで知らない人と話すことが増えました。テレビで、日本でびっくりしたことを発表しました。「たこ焼き丸い、かっぱ巻きおいしい、ウォシュレットやばい。」
今はもうあんまり何もびっくりしません。私の心は日本人の心になりました。おかげさまで、今はいつでも、どこでも、どんな時にも寝れます。電話しながらお辞儀をします。トイレのボタンもるぐ見つけます。後日本人じゃない人を見たら、頭の中で「え、外国人、すげー」とおもっています。
外国人と日本語で話すこともありました。あれは難しかったです。私が毎日使っている表現が分かってもらえませんでした。やっぱり外国で日本語を勉強した人は関西弁が分かりません。
「なんでやねん、関西弁はほんまにめっちゃおもろい、みんな勉強しなあかん」と思います。

日本での生活はすごく楽しいです。だから私は国に帰りたくないです。帰ったら日本料理もないしいつも私のそばには外国人ばかりですから。

ご清聴ありがとうございました。


レット・パンニャワン(カンボジア出身)

もし、もう一つの言語を話すことが出来れば、皆さんの世界観は変わると思いますか。僕は、これを実際に経験しました。

皆さん、こんにちは。レット・パンニャワンと申します。カンボジアからの留学生です。本日は、言語が人々の世界観にどんな影響があるか、発表したいと思います。

古代から、人類は進化し、別れ、世界各地に広がりました。人々が自分の文化の中で育てられ、それぞれの言語でお互いにコミュニケーションができるようになりました。現在、6000以上もの言語が世界中の人々によって使われています。その人々の世界観はお互い異なるでしょう。なぜならば、それぞれの文化は独自の言語に影響があるからです。あらゆる文化には、周りの世界に見方を決める価値観、習慣、規範などがあります。

例えば、ボリビアー、ペルー、チリで使われているアイマラという言語には、時間の概念は他の言語と違います。それは、未来と過去の見方です。アイマラ語で過去を示すとき、後ろではなく、目の前の時間を表します。一方、未来を示すとき、その逆になります。それはなぜでしょうか。

実は、アイマラの文化には、ハプニングを誰かに聞くより、直接目撃することが大きい価値と見なされています。その為、アイマラ語を喋る人々が情報を伝えるたびに、自分の目で見たか、あるかは誰かに聞いたか、意識します。アイマラの文化のロジックにより、過去のハプニングは直接見たので、過去は目の前です。しかし、未経験なことは、まだ自分の目で見ていないので、未来は後ろです。このように、言語は、文化に影響を与えられています。

自分の経験から言えば、僕は三つの言語を話すことが出来ます。それは、ぼくの母国語のクメール語、英語、そして日本語です。この三つの言語は、異なる三つの文化に影響を与えられています。その時使う言語によっては、その言語の文化の影響を受け、僕の世界観は変わったように感じました。

例えば、英語と日本語の文化は大きく異なります。英語を使う人々は、自分の気持ちを直接的に伝えがちです。しかしながら、日本語を使う人々は、相手の気持ちを配慮するため、僕が日本語を使うと、自然に相手の気持ちを配慮しています。
例えば、食べれないや好きじゃない食べ物がある時、日本語で「すみません。これはちょっ
と。。。」とか「ちょっとご遠慮します。」という表現を使います。でも、英語で、「すみません。こんな食べ物は好きじゃないんです。」「これは嫌いです。」といっても、失礼ではありません。

クメール語では、知らない人にも、家族の代名詞を使えます。大体、「お兄さん」や「お姉さん」という代名詞がよく使われています。もし、カンボジアに行ったら、レストランでウエイターに「お兄さん、ご注文よろしいでしょうか。」と聞かれるかもしれません。こういう風に、カンボジア人は知らない人と話しても、近い感じがあるかもしれません。

それぞれの文化は独自性があります。新しい言語を習うことだけで、あなたは具体化している文化を通して世界を違うように見るかもしれません。

or the way you express your feelings,
あなたの世界観は変わります。

新しい言語を勉強してみたら、新しい世界が待っているかもしれません。ご静聴ありがとうございました。

 


支部へのお問合せ

(公財)AFS日本協会 奈良支部
[email protected]


この記事のカテゴリー: AFS活動レポート 受入生受賞情報

この記事のタグ   : 奈良支部