2018年11月23日(金)から25日(日)までの3日間、福島県のとうほう・みんなの文化センター(福島県文化センター)で、第72回福島県高等学校演劇コンクールが開催された。
福島県内各地の予選会を勝ち上がった14校が参加し、相双地区で最優秀賞を受賞したアジア高校生架け橋プロジェクトのホストスクール、福島県立ふたば未来学園高等学校も出場した。
タイトルは『Indrah ~カズコになろうよ~』。マレーシアの架け橋生Indrah Thelaganathan (インドラ・デラガナダン)を含むふたば未来学園高校演劇部が作成した独創性のある作品であった。
全員が主人公で、高校生の本音や生活スタイルを観客と共に共有する演劇のスタイル。東日本大震災当時、小学生であった生徒達がそれぞれの場所で、様々な経験をし、苦しみ、考え、その思いが込められていた。
「本当はみんなと話したい。でも僕は福島市出身だから。当事者じゃないから。」
演劇部の部長は部員をまとめたいという気持ちが強いけれど、被災したみんなとは違うと自分で壁を作ってしまっている。言葉の壁がある中でみんなと話したいという気持ちが強いインドラは部長をこういって励ます。
「みんなちがうから…楽しくない?考えすぎ!」
また、こういうセリフもあった。
「堤防があれば安心する。でも、堤防ができて見えていたものが急に見えなくなる。海が見えない恐怖がある。」
多くの観客が7年前の3月11日を思い出したことだろう。
人前で言いたくないこと、思い出したくないことも包み隠さず高校生の目線でとらえた作品で、幕が下りるときには拍手喝采、優秀賞第1席を受賞した。
快進撃を続ける演劇部、次は東北大会へ。
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