2017年10月、ガーナのアクラで開催されたAFS国際総会(AFSネットワーク会議)で、AFSの立場と役割を国際社会に示す「アクラ宣言」が発表され、同総会に出席した世界120のAFS代表者が署名を行いました。
この宣言で、AFSは、「公正で平和な世界を実現させる唯一の道は、国際社会が多様性を尊重し、寛容な姿勢を大切にし、互いに協力して喫緊の課題に取り組むことである」と、力強く訴えています。

世界中のAFS関係者が「One AFS」となってこのメッセージを社会に発信していくために、賛同いただける方は、署名にご協力ください。
この署名活動は、世界中のAFSボランティア、職員、プログラム参加生、ホストファミリー、教育関係者を対象に展開されています。


アクラ宣言
世界にインパクトを与える活動を続けます

私たちAFS―国際理事会、加盟60カ国の理事会、5万人のボランティア―は、世界のリーダー、教育者、民間の社会団体、そして社会に対して高い関心を持つ市民に対し、過激主義や不平等、平和を脅かそうとする勢力を、断じて受け入れないよう訴えます。
ガーナで開催された2017年AFS国際総会を機に、私たちは皆さんに「共に生きることを学ぶ」というAFSの運動への参加を呼びかけます。この運動を通じてAFSは、より公正で平和な世界の実現を目指して、異文化理解を促進します。

かつては協調を推進していた国々や社会が孤立を深めるにつれ、世界の分断化が進んでしまったことを、私たちは深く憂慮しています。
AFSは、二度の大戦による荒廃を経験した救急車ドライバーたちによって設立されました。紛争という悲劇を繰り返さないために、次世代を担い、世界に関心を持つ若者に、交換留学と異文化学習の機会を提供することによって、人々を結び付けようと考えたのです。

AFSは今、この崇高な使命を改めて世に誓います。
「多様な人種、文化の背景を持つあらゆる世代の人々に対して、身近な生活の場面でも世界でも、みずから行動して前向きな変化をもたらすことができるように、異文化を理解する知識とスキルを提供します」

異なる文化を結ぶ架け橋を築いて100年。そんな歴史を持つ私たちは、国連の「持続可能な開発目標」を支持し、同じ志を持つ多くの組織や人々と、同じ目標に向かって取り組んでいることを誇りに思います。

私たちの活動が今ほど求められている時はありません。世界中で混乱や対立が深まるなか、AFSには以前にも増した勇気と目的意識が必要です。人生の転機となる海外留学、ボランティア活動、一般に開かれたフォーラム、様々なかたちでの協働、生涯学習などを提供することによって、多様な人々、文化、世界観、考え方が共生できるようにすることが、私たちの活動です。

AFSは世界の90カ国、100万人を超える仲間とともに、世界にインパクトを与える次の三つの戦略的な目標の実現に向けて、みずからが持つエネルギー、資源、専門的知見を駆使していきます。
・活動的なグローバル市民の育成:
多様な人種、文化の背景を持つあらゆる世代の人々に、「共に生きることを学ぶ」ための異文化学習、ボランティア活動への参加を呼びかけます。
・教育機関のグローバル化:
教育の現場に、グローバルな視野と協働精神を育むプログラムを提供します。
・異文化教育の普及:
恵まれない環境を含む多様な社会の人々が、ひとりでも多くAFSプログラムに参加し、その体験による恩恵を享受できるようにします。

公正で平和な世界を実現させる唯一の道は、国際社会が多様性を尊重し、寛容な姿勢を大切にし、互いに協力して喫緊の課題に取り組むことであると、AFSは信じています。

2017年10月13日 ガーナ・アクラにて

アクラ宣言(英語原文)


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