6月18日、伊那市いなっせにおいて、昨年8月に来日したトルコ生とオーストリア生の送別会が開かれました。併せてこの夏にオランダに出発する64期派遣生の壮行会も行いました。
送別会に先駆けて、午前中に帰国座談会を開きました。
Q:留学前と今とでは自分の中で何が変わった? 何を一番頑張った?
「来たとき知っていた日本語は『こんにちは』『ありがとう』『疲れた』『暑い』(残暑厳しいころでした…)だったけど、いまは周りの人たちが話していることもよくわかるし、自分も話せるようになってきた。」
「来日したときは言葉も生活も全て母国と異なった。学校のルール、車の交通ルール、全てが違った。でもいまそんなに違うと感じないで、自分の中では日本の生活やルールがノーマルみたいな気がする。日本語は、自分でもこんなに日本語ができるようになると思わなかった。頑張ったと思う」
「自分の国と全く異なる文化で1日を過ごす、とにかく、1日全部違った。言葉も考え方も。ライフスタイル、文化が違う。世の中には異なる考え方、異なる価値観があることを肌身で知った。この経験は帰国してからも異文化に接する時に役立つと思う」
「頑張ったのは部活。最初は英語のディベート。全国優勝できた。その後の書道部も(元々興味があった)頑張りました」
Q:好きな日本食は? 苦手なものは?
「ラーメン!」「お蕎麦!」
「なっとうは苦手だった…」「エビは…ごめんなさい」
Q:長野南信のお気に入りのところは?
「浮世絵美術館、松本市美術館、北斎美術館!」←「和」のものが大好きな生徒です。
「りんご並木、家の近くのラーメン屋さん、剣道の体育館!」←半年前は住んでいる街で好きなところはまだない、と言っていましたが、我が街、となったのですね。
Q:好きな日本の言葉は?
「積読(つんどく)」←買った本を積み重ねているだけで少しも読まないこと
「いただきました」←下伊那地方で「ごちそうさま」を表す食事の終わりの挨拶
Q:たくさんの人にお礼を言いたいと思うけど、誰に一番言いたい?
(迷いなく)「ホストファミリーのお母さん!どんな時も味方だった。お別れするのが淋しい」
(きっぱりと)「ホストファミリー。いつもどんなときも助けてくれた。担任の先生やLPさんも。いつも声をかけてくれた。日本語上達のためにサポートしてくれた」
ホストマザーに聞かせてあげたかったです。その他、自分の留学を短い時間でしたが振り返ってもらいました。
引き続きのパーティーはいつものように1品お持ちよりのビュッフェスタイルのパーティー。美味しい! 誰が持ってきたの? の声が飛び交います。
会の中盤には帰国する2人からホストファミリーへ感謝状の授与があり、ホストファミリーからは愛情いっぱいの送る言葉がありました。
最初は言葉通じず、双方で戸惑いがあったことだと思われますが、それも段々に解けて、今では居るのが当たり前に思えている、それくらいに絆が深まったのが、伝わってきました。そのあとに2人のスピーチ。
トルコ生
「みんなさん、きょうはそうべつかいをひらいてくださって、ほんとうにありがとうございました。にほんにきたとき、ぜんぜん にほんごがしゃべれませんでした。トルコとにほんのぶんかも ぜんぜんちがいました。ぶかつのこと、がっこうのこと、いろいろわからないことが たくさんありました。いまでもたくさんあります。そのときみなさんが いっしょにかんがえてくださいました。そのことは とてもうれしかったです。いっぱいともだちができました。10かげつはほんとうにたのしかったです。ありがとうございました(原文抜粋)」
オーストリア生
「今の自分の気持ちを日本語で上手く言えない。いや、どんな言語でも、表せない。たくさん時間はあると思ったけど、あっという間だった。楽しいイベントや旅行の思い出もあるけど、何気ない毎日の生活を共に過ごせたことがありがたいです。これから日本語検定の最後の勉強をしないと、だけど、1人で部屋にこもって勉強するより、残された留学の時間はホストファミリーとリビングで過ごしたい。あと、3週間。一緒に楽しみたい、(HFに向かって)楽しみましょう!(動画より抜粋)」
ステキな留学生活を送った2人に、それを一番身近なところで支えていただいたホストファミリーに惜しみない拍手がおくられました。
64期派遣生は残念ながら長野南信支部からは1名ですが留学を終えようとしている秋組生の姿に、学ぶものがあったようです。そして「留学したらなんでもチャレンジしたい」という前向きな決意が語られました。
いつの時代も夢に向かって行動する若い人の姿は眩しく、こちらの心も満たされてくるのを感じます。失敗を恐れず、ひるむことなく、前へ、前へ、進んでいこう!
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