12月9日、フィンランドから来ている春生リーナは、松本市旭町小学校で交流の1日を過ごしてきました。
同校教諭でもある支部員が、前日から職員室の入り口の出欠黒板に全職員に分かるようにフィンランド語の挨拶を貼って、リーナが入る3つのクラスにもフィンランド語を書いた紙を配ってみました。
リーナは英語が堪能ですが、どのクラスも初めの挨拶はフィンランド語でするように事前にリーナにお願いしました。英語はかなりの人が共通語として使いますが、児童の皆さんに外国の人=英語の人、という思い込みをしないでほしいからです。
職員朝会で紹介され、リーナがフィンランド語と日本語で挨拶すると、職員朝会の挨拶は、フィンランド語でおはようございます(huomenta!フオメンタ)で始まりました。当番の先生が気を利かせて口にして下さり、自然な形で先生方全員がフィンランド語を口にすることとなりました。先生方が積極的にそのように行動してくださったのが嬉しいことでした。その場に居たリーナも嬉しそうでした。
1、2時間目 6年 家庭科 「ジャガイモを使った料理」
児童の皆さんが緊張している中、家庭科のように共同作業を行う授業は自然な形で交流が生まれやすいです。ジャガイモの皮をむくのに四苦八苦している児童の皆さんを、リーナが助けます。そのうち、積極的で好奇心のある生徒さんが話しかけてくれて、段々に皆が馴染んできました。ポテトサラダも美味しく出来て、皆でいただきました。
リーナは子どもたちに話しかけて、話のキッカケを作っていました。授業が終わってから外国語に興味がある子どもが個別に話しかけてくる姿も。交流のいいスタートが切れました。
3,4時間目 6年 国語 「書道」「百人一首」
担任の先生の提案で、リーナは日本語が分からないふりで教室へ。(本当はとても上手です!)挨拶はフィンランド語ではじめ、途中から英語でやりました。書道の席を一人分で用意して下さり、児童の皆さんと同じ課題を書きました。子どもたちは、リーナが初めて書道をやると思って、周りを取り囲んで、英語や身振り手振りで、一生懸命に書き方を教えてくれました。
そしてリーナが書いた字がキレイで、ビックリして、すごく焦りはじめ、真剣な表情で自分の課題に取り組み始めました。
そのうち、リーナが、そろそろ自分が日本語を話すことを言った方がいい、となりました。リーナはおもむろに「感謝」と書いて、黒板の前に出ていき日本語で「みなさん、実は私は3月に日本に来ていて、日本語を話せます。そして、学校では書道部に入っています。」とネタ明かし。
子どもたち、皆、ア然。
リーナの言葉は続きます。
「みなさんが一生懸命に教えてくれて繋がろうとしていたことが、とても嬉しかったです、皆さんに感謝しています、ありがとう。ああいうこと(繋がろうとすること)は、勇気がいるけど、大切なことなのでこれからも続けて下さい。繋がることはとても大切です。」と子どもたちの勇気に感謝を述べました。
そのあと、同じ教室で、百人一首をしました。子どもたちも、リーナも初めてでしたが、とても楽しそうにしていました。給食はそのまま、6年生と食べ、給食後は清掃も一緒にしました。
5,6時間 4年生との交流
まずはパワーポイントを使ってリーナが自国紹介をしました。これまでに何度も自国のプレゼンはやっていますが、小学生向きに内容を工夫して、例えば人口のことを話すのもどう言えば理解しやすいか、家で考えて来たそうです。東京との比較をしていました。子どもたちは、フィンランドといえば、サンタクロース、オーロラ、ムーミンと答えました。初めて聞くフィンランドの話に、子供たちの目がキラキラでした。
そのあと、4人ずつの班別に自己紹介と、1つずつ質問タイム。
あらかじめ重ならないように担任の先生がチェックして下さったそうですが、四年生らしく可愛い質問もあり、答えるリーナも楽しそうでした。
「日本のどんなところが好きですか?」「日本の文化とか、全部好きです」
最後に春の運動会でやったソーラン節を披露してくれました。
場所を体育館に移して、ドッジボールやゲームなど、身体を動かす活動をして、最後にクラスの皆で写真をパチリ。解散してからも、子どもたちはリーナの周りに群れて、話して、そのうち、PPAPを大声で歌って踊っていました。名残惜しそうな子どもたちでした。
今回は、1、2時間目の家庭科は特別なことはなく、通常の授業に入れてもらい、3、4時間目の国語は少し特別に時間割を組んでいただき、6年生のペースの中でリーナに出番を下さった形でした。
5、6時間目は完全に交流会の形をとって下さりました。
6年生になると、子どもが少し固くなりますが、気持ちのある子どもは話しかけてくれます。4年生は、ほぼ全員がリーナに興味を持って自然な気持ちで関わろうとしてくれました。
また、旭町小学校の校長先生、教頭先生はじめ、先生方がとても協力的で、忙しい中、温かく迎えて下さり、助けられました。交流は互いが積極的に行おうとすることで、期待していた以上の中身の濃いものが生まれます。それを肌で実感した1日でした。最後に4年生の日記を紹介します(原文ママ)。
「私は初めて外国人と交流しました。高校2年と聞いて、7歳もはなれているのに、だいじょうぶかな、と思いました。リーナさんの自己しょうかいをしたとき、みんなはサンタクロースはいない、と言っていたけど本当にいるとじっかんできました。(中略)リーナさんといっしょにいると、わくわくしたり、自分でだいじょうぶかな、と思っていることをすっかりわすれていい気持ちで、交流できました。」
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