札幌支部の井上善博さんと奈穂子さんが、11月にリオデジャネイロで開かれた「AFSワールド・コングレス」で、今年、創設された「ペギー&アート・ハウ賞」を受賞、ヴィンセンゾ会長(当時)から盾が日本協会の加藤暁子理事長に手渡されました。
この賞は、ヴィンセンゾ会長が退任にあたり、最後の仕事として、AFSの要であるホストファミリーに光をあてた賞の創設を提案。
ヴィンセンゾ会長は「私はイタリアの片田舎の家庭から奨学金を得てAFSで留学したのが今ある私の原点。私を大切にしてくれたホストファミリーを片時も忘れたことはない。AFSの未来は今後もホストファミリーらボランティアと共にある」と語り、この賞を創設した思いを語りました。
11月27日に札幌で開かれた北海道地域会議で、井上両夫妻に加藤理事長から盾が、正木優子・北海道地域代表から花束が手渡されました。
22年前の94年に北海道新聞に掲載されたAFSのホストファミリー制度の記事を読み、「実子がいなかったので里親を考えていましたが、ご縁をいただきました。それから気が付けば16カ国22人の留学生を受け入れさせていただきました」と井上夫妻。
厳格なイスラム教徒で宗教上の食事制限があるブルネイ、マレーシアのほか、タイ、ラオス、アメリカ、デンマーク、ドイツ、オーストリア、チリなど文化、宗教、人種の違いを超えて、様々な国々の生徒を自分の子どもとして育てられてきました。
留学生にとって、井上さんはけっして優しいだけのホストファミリーではなく、門限を守らなかったら、容赦なく叱ったことも数知れず。時には厳しく、そして温かく守ってくれる井上夫妻の存在はまさに母国の両親と同じ。だからこそ、帰国しても親交が続いていて、井上さんの家には、飾り切れないほどの写真が飾ってあるそうです。
「お蔭様で留学生と一緒に夫婦仲良く、日々の変化を楽しみながら生活をさせていただいております。可愛い娘たちもそれぞれ自分の信じる道を歩み、進学したり、家庭を築いたりして幸せに過ごしています。これもひとえにAFS日本協会や札幌支部の皆様の頼もしいサポートのお蔭と心より感謝いたしております。これからも事情の許す限り、積極的に活動を続けていきたいと思っております」と井上さん。
来年のお正月には、タイからの留学生が夫や子どもを連れて里帰りをするそうです。
賞の名称であるアート・ハウ氏は第二次世界大戦中に救急車のドライバーに従事、米国に帰国後、学生として交換留学のボランティアとして活躍、その後、AFS国際本部の会長となり、アメリカと他国との間だけの高校生の交換留学制度を多国間同士の交換留学に広げました。
また、エール大学で教壇に立つとともに、妻のペギーさんと共にアメリカの低所得者のための住宅問題にも取り組み、多くの人々を救い、まさに生涯をボランティアとして捧げました。
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